年齢 | 性別 | 相談日 |
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60代 | 男性 | 2009年4月1日 |
【相談者】2009年4月1日 60代 男性 YT
妻(58才)のことです。口の中の上部にゴルフボールぐらいの直径で半球状の突起があります。他の人にはそれが無いことに気がついたのは30年以上前とのことです。妻はうつ病(あるいは躁鬱病)状態にあり、この突起が悪性のものではないかと心配し精神的な大きなストレスのひとつになっています。
何とか病院に連れて行って診察を受けてもらいたいとお願いするのですが、恐怖のため頑として受け付けません。また精神科の病院に行くことも拒否しています。最近は突起が大きくなってきたと言っていて、死にたいとも言ってます。
恐怖感を取り除いて、診察を受けてもらうにはどうしたらいいのでしょうか? 私は30年以上存在するのだから悪性であるはずがないと思っており、診察さえ受けてもらえば少なくともこの問題は解決できると思うのですが。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
口の中の上の部分、すなわち口蓋が膨れているということですね。最も可能性が高いのは口蓋隆起で、もともと骨の形がそのようになっているという状態です。口蓋部分の中央には口蓋隆起という膨らみが前後に伸びていますが、ほとんどわからないくらい平坦な形状の人がいる一方、ゴルフボール大の人もいます。
ただし、それは単に骨が膨らんでいるに過ぎないので、特に対処せずそのまま放置します。通常は放置しても変化しない場合が多いものですが、少しずつ膨らむケースもあり、気になるようなら骨を削って対応することになります。
また、口蓋部分には唾液腺腫瘍や神経鞘腫、口蓋ガンなどの腫瘍のほか、化膿性肉芽腫や粘液のう胞など、様々な病変が生じる可能性がありますが、30年間ほとんど変化しないということからガンや肉芽腫ではないようです。仮に良性腫瘍であったとしても、必ずしも取り除く必要があるとはいえない程度であるといえます。
以上のように、心配するほどのものではないので、あまり悲観的にならず診察を受けるよう説明されたらよいのではないでしょうか。
【相談者】2009年4月2日 60代 男性 YT
早速にご丁寧なご回答をいただきまことにありがとうございます。先生のご説明をもとに何とかして診察を受けさせるよううまくとり進めたいと思います。