口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

顎下腺炎

年齢 性別 相談日
40代 女性 2009年3月7日

【相談者】2009年3月7日 40代 女性 S

相談申し上げます。19歳の息子ですが、2・3年前に痛くて受診した耳鼻科で右顎下線炎だと診断され、抗生剤3日の服用で落ち着きました。それから、今年の1月に左の顎下線炎になりました。その時は、抗生剤5日の服用で落ち着きました。そして今回、昨日から右側が痛いようです。

何度も繰り返さないようにするには何に気をつければよいでしょうか?疲れや、寝不足、風邪ひきは関係あるのでしょうか?  関係があるかどうか分かりませんが、親知らずは両方とも埋もれていたのですが、半年前に左側を抜きました。右はまだ埋もれています。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

顎下炎には顎下唾液腺炎と顎下リンパ節炎がありますが、単に顎下腺炎という場合は「顎下唾液腺炎」のことをいいます。顎下唾液腺炎の原因としては細菌やウイルス、寄生虫の感染、外傷、シェーグレン症候群、ミクリッツ病などがありますが、抗生剤が有効であったことから、ご子息の場合は細菌感染の可能性が高いと考えられます。

顎下唾液腺で産生された唾液は導管という管を伝い、下顎前歯内側の口底部にある舌下小丘という小さなふくらみから出てくるのですが、この舌下小丘部から導管の中に入り込んだ細菌が、顎下唾液腺まで侵入して感染を起こすのです。

細菌感染を起こさないためには歯磨きを丁寧に行い、細菌の数を少なくすることが肝心です。また、細菌感染を引き起こしやすい要因のひとつに、ドライマウスがあります。ドライマウスの最大の原因は唾液の量の減少ですが、そうなることで導管内に細菌が侵入しやすくなり、唾液腺炎を起こしやすくなります。

従って、唾液の分泌をよくするため、まず水分をよくとるよう心がけてください。緑茶や紅茶、ウーロン茶、コーヒーは避けて、できるだけ水か麦茶を常飲しましょう。また、顎下唾液腺や導管をマッサージして唾液の分泌を促すのもよい方法です。

ただし、細菌性以外の顎下唾液腺炎や顎下リンパ節炎の場合では対処法が異なります。従って、受診された耳鼻咽喉科でもう一度確認をとり、適切な治療を受けられることをお勧めします。