口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

親不知抜歯後の麻痺

年齢 性別 相談日
20代 女性 2009年4月1日

【相談者】2009年4月1日 20代 女性 N

横向きに埋まっていた左下の親不知を、大学病院にて抜歯しました。術後、傷口の経過などは良好でしたが、左下の歯、はぐき、唇に麻痺が残りました。後に先生に確認したところ、抜くときに神経と傷つけたかもしれないということでした。神経の回復を早める薬(ビタミン剤)を二週間分頂いて、また二週間後に経過を診て頂くことになりました。今日で術後一週間と一日です。

これは医療ミスではないのですか?ちなみに、術前、先生からそのようなことが起こる可能性について説明はありませんでした。術後、私の症状を聞いてから、そういったことはあり得るという説明でした。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

下顎の親知らずの下には下歯槽神経が走っています。人によってはこの神経が親知らずの根にからみつくように位置している場合があり、親知らずを抜く際の刺激で麻痺が生じる可能性があります。

麻痺が出るかどうかについては、レントゲン写真によって抜歯前でもある程度予想できるものです。今回は抜歯前に麻痺の可能性についての説明がなかったということから、レントゲン上では親知らずと神経が離れていて麻痺の可能性は少ないと判断されたのではないでしょうか。

しかし、レントゲン上では大丈夫と思われるケースでも、実際には麻痺が出ることもあるようです。その場合、神経の損傷は軽いと予想されるためそのうち回復するでしょう。また、麻痺の回復を促す方法として「異状神経節ブロック」という治療法もあります。

予想外の麻痺が出る可能性はゼロとはいえないため、医療ミスの有無に関しては何ともお答えできません。

www.koku-naika.com/p230pericoindex.htm