口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

下唇の腫れと味覚異常

年齢 性別 相談日
50代 女性 2009年5月5日

【相談者】2009年5月5日 50代 女性 T

2週間くらい前から、下唇中央内側が腫れ、痛みはなく、違和感だけがいつも残っています。腫れている部分の色は全体的に口腔内と同じなので、どこからどこまで腫れているのか、見た目には分かりません。ただ、最近夕方になると膨らみが大きくなり、熱い飲み物などが触れるとヒリッとします。また、味覚にも違和感があり、何を食べても後味が金属的な不快な味がします。腫れと関係あるのでしょうか?

最近仕事を始めたので、ストレスによるものと思い、どこも受診していません。腫れが引くには治療が必要でしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

痛みを伴わないということから、単純な炎症性の腫れではないと考えられます。特に、口唇の腫脹に日内変動があって夕方に腫脹感が大きくなるとすると、唇内面に歯が強く当たる、あるいは下唇を噛む習癖があるなど外因性の機械的な刺激によって、口唇の腫脹が増大していると考えるのが一般的です。

仕事中などにかたく口を閉じている時間が続くと、口の中が長時間陰圧になり、口唇粘膜が常に歯に押し付けられることになります。また、歯が同じ位置にいつも当たっていると粘膜表面が傷つき、飲食物がしみるようになります。そのような場合は、唾液分泌も低下していることが多いため、味覚の変調などの自覚症状が起こりやすくなるものです。

また、慢性的な貧血状態や血液中の鉄分低下は粘膜の張りを失わせ、萎縮変化を引き起こす原因となります。

以上、生活環境や口腔内の状況的な問題、そして貧血などの内科的な問題が重なることによって、現在の症状が生じていると推測します。一度、歯科で診察を受けられたらいかがでしょうか。