口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

非定型歯痛の薬物療法

年齢 性別 相談日
30代 女性 2009年5月26日

【相談者】2009年5月26日 30代 女性 KA

はじめまして。お忙しい所申し訳ございませんが質問させて下さい。母が半月ほど前から原因不明の右上奥歯の激痛を訴え、非定型歯痛と診断されました。現在ペインクリニックでジェイゾロフトとリボトリールとエクセグランを処方され、一週間飲んでいますが二割くらい痛みが治まりましたがいまだに痛がっています。

先生のHPを拝見させて頂くと、抗うつ剤は三環系を処方とありますがSSRIでは、効きめは少ないのでしょうか?近ければすぐにでも診ていただきたいのですが、アドバイス頂けると有り難いです。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

激痛があることから、三叉神経痛の可能性を考慮してエクセグランやリボトリールなどの抗けいれん薬、加えて非定型歯痛に対しては抗うつ薬のジェイゾロソトが処方されたのでしょう。おそらく、片頭痛や群発頭痛による痛みではないと判断されたのでしょうね。

ジェイゾロフトはSSRIという第3世代の抗うつ薬で、三環系と比べると副作用が少ないと同時に抗うつ作用も弱いとされており、非定型歯痛に対する鎮痛効果は弱いといわれています。

抗うつ剤を飲み始めて一週間が経過したということですが、効き目が現れるまでに通常2~4週間が必要とされることから、効果を判定するにはまだ時期早尚といえます。今後は、薬剤の効果と副作用を天びんにかけながら、ジェイゾロフトあるいは三環系抗うつ剤を増量していく予定であると考えられます。従って、これらの点について次回診察時に担当医に確認されることをお勧めします。

www.koku-naika.com/p414orofacialpain1.htm

【相談者】2009年5月28日 30代 女性 KA

樋口先生、こんばんは。見ず知らずの私にこんなに詳しく丁寧なお返事をして頂き、感激致しました。何とお礼を申し上げたらよいのか分からないくらい感謝しております。本当にありがとうございます。

母は、現在激痛を10とすると7~8にやわらいできたと言っています。樋口先生のお返事を拝見して、薬の事がよく分かり安心しました。それにしても、歯には原因がないのに、こんなにも激痛が起きる(お産より痛いと母は言ってました) なんて本当に信じられませんでした。

しかし樋口先生のHPに出会えたおかげで非定型歯痛についてよく理解できました。本当に感謝しております。ぜひ、母のような一見理解しがたい痛みに苦しんでいる方々のためにも症例として紹介して下さる事を願っております。