口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

耳下腺の粘表皮癌切除術後の開口障害

年齢 性別 相談日
60代 女性 2015年5月28日

【相談者】2015年5月28日  h

2年前、耳下腺の粘表皮癌になり、手術、放射線をし抗がん剤を服用しています。術後から口の開きが悪くなり、今では指一本も開かないような状況になってしまいました。食事もできなくなるのでは、と不安になり、担当医にリハビリはないのかなど質問すると、「手術でとってしまっているし、もう手術はできない。リハビリもない。マッサージも効果があるとは思えない。流動食を出そうか」と言われてしまいました。

ネットで調べてみても、顎関節症のことばかりで、癌の術後のリハビリなどは見あたりません。このまま何もできないのでしょうか。リハビリなどあれば教えていただきたいです。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

粘表皮癌は腺様嚢胞癌と並ぶ、代表的な唾液腺の悪性腫瘍です。組織学的に分化度が低いものは周囲組織に浸潤しやすく、手術を行っても周辺部に癌細胞が残存し再発しやすいため、悪性度が高いとされています。

手術に加えて放射線治療や抗癌剤を用いた化学療法を受けられたということは、このような問題が懸念されたためでしょう。放射線治療により、開口が困難になったのではないかと推察します。

耳下腺を切除した部分の周囲、下顎から頸部にかけて放射線を照射すると軟組織が委縮して固くなり、動きにくくなります。特に咬筋、側頭筋、内側翼突筋など口を開ける動きを担う筋肉が委縮すると、開口が困難になってしまうのです。

残念ながら、現状を簡単に解決する方法はないでしょう。近赤外線やレーザー、ホットパックなどで血行を良好に保ちながら地道に開口訓練を重ねると、多少は開口量が増加すると考えられます。従って、上記のようなリハビリを受けられる医療機関を探すことをお勧めします。