年齢 | 性別 | 相談日 |
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40代 | 男性 | 2009年7月1日 |
【相談者】2009年7月1日 40代 男性 M
樋口先生こんばんわ。
私の妻はかれこれ10年以上歯の痛みに悩まされて 激痛で抜髄、抜歯で後4本しか歯がありません。色んな病院に行きましたが、三叉神経痛で手術して叉再発したり、非定型歯痛でトリプタノールを沢山飲んだり、線維筋痛症でガバペンをのんだり、身体表現性疼痛障害といわれたり、さんざんです。
どの治療も上手くいかず、最後の綱でガンマナイフをしようと受診したら、やはりMRIで右も左も血管が神経にあたっていて手術を進められました。前回は右手術はあまり上手くいってなかったようです。痛みは右にも左にもあり右は鈍痛、左は典型的な三叉神経痛の痛みではありません。先生はどうおもわれますか?
私も妻もどうしてよいか分かりません。今はガバペン1000mmをメインに、抗うつ剤と4日まえからテグレトールを朝晩400×2をのんだら立てなくなりましたので中止しました。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
医療機関で10年間以上専門的な検査や治療を受けてこられたようですから、担当の先生が病状を最も把握されていることと思います。いただいたメールから担当医以上の考えを示すことはほとんど不可能ですが、何らかの症状改善につながることになればと思います。
これまで三叉神経痛や非定型歯痛、線維筋痛症、疼痛性障害などの診断名で治療を受けられたとのことですが、「筋、筋膜痛」については何といわれているのでしょうか。口腔顔面痛の原因の中で最も頻度が高いのが「筋、筋膜痛」ですが、今回のご相談内容から判断するとその可能性がありそうです。
また、うつや統合失調症による痛みも考えられます。トリプタノールはこれらの痛みに加え、非定型歯痛や疼痛性障害に対しても有効ですが、十分な量を継続して服用されているでしょうか?
ただし、トリプタノールは比較的副作用の出やすい薬です。従って、飲み続けるのが困難な場合はSNRIやSSRIなど副作用が少ない抗うつ剤に変更すると、治療がよい方向へ向かうかもしれません。
一方、歯痛の原因としては片頭痛や群発頭痛も考えられます。これらは脳の血管や頚動脈が過拡張することによって生じますが、トリプタン製剤という有効な薬をタイミングよく服用することにより、痛みを抑えることができます。