口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

持続的な臼歯の鈍痛

年齢 性別 相談日
30代 男性 2009年8月22日

【相談者】2009年8月22日 30代 男性 O

数年前より悩んでる症状があり、困ってる順に言いますと次のようなものです。

  1. 左上の奥歯にほぼ毎日鈍痛がある(食事中に限らない)。日によっては右上の奥歯などにもある。また痛みが普段より増しているときは1週間ほど風邪のようなだるさを伴うときがある。
  2. アゴの噛み合わせに違和感がある。特に食事のときなど困る。子供のときより虫歯が多かったため、奥歯はほぼ全体的に詰め物をしてる状態です。

①について2件ほど歯科で診てもらいましたが(レントゲン、詰め物を取るなど)わからないと言われました。副鼻腔炎の可能性もあるから耳鼻科にいってみたらと言われいったのですが、異常はありませんでした。

今朝の新聞に「虫歯がないのに歯が痛いという症状は三叉神経痛の可能性がある。口腔外科か耳鼻科、場合によっては脳神経外科の受診をおすすめする。」と書かれてありました。

私の症状からして、原因・処置法などについてお考えになることがあるでしょうか。②のことも考えますと口腔外科を受診してみたほうがよいでしょうか(相手にしてもらえるのか心配です)。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

現在の症状である左上奥歯の鈍痛に対して歯科医院で検査を受けたところ、明らかな歯の原因を認めず、また耳鼻科での診察で近接する上顎洞(副鼻腔)にも疼痛の原因を見出せなかったということですね。そこで、三叉神経痛の可能性をお考えのようですが、痛みの性質からは三叉神経痛ではないような印象を受けます。

三叉神経痛の典型的な痛みは発作的に起こる激痛であり、現在の断続的鈍痛とは大きく異なります。また、三叉神経痛の診断は脳神経外科での画像診断も有効で、テグレトールという薬物がよく効くことから、試験的にテグレトールを内服して症状が緩和するのであれば、三叉神経痛を疑うという場合もあります。

一方、三叉神経痛以外の疼痛の原因となれば、噛み合わせや習癖による咬合力負担過大を考えるケースもあります。この場合にはマウスピースによる咬合力負担軽減、あるいは緊張緩和を目的とした薬物療法も有効です。まずはお近くの医療機関で相談されるとよいでしょう。

www.koku-naika.com/p477clenching1.htm