口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

左7番抜歯後から続く左顎の痛みと圧迫感

年齢 性別 相談日
40代 女性 2015年12月8日

【相談者】2015年12月8日  UT

質問1

どうぞ宜しくお願い致します。早速ですが経過と質問をさせて頂きます。4/1歯科大で左7番抜歯後から続く左顎の痛み左上顎の圧迫感が現在8ヶ月経っても存在しております。

5月に市民病院にてCT検査の結果顎骨髄炎の疑いという事で、そちらでは診れないと言われ6月に別の病院の口腔外科でMRIをしました。結果歯槽骨炎では?という事で、腐骨が見られないことから抗生物質クラビット3週間、クラリスを数ヶ月(間に3週間や2週間休薬して様子見)続けましたが、9月のMRIも6月に撮った画像と変化が見られず、最近では痛みが耳奥にまで波及し頭痛も酷く大変不安です。

持病の血液内科の先生からも、8ヶ月も歯槽骨炎が治らない事があるのか?と聞かれ、手術などで治らないのかと仰っておられます。そこで質問をさせて下さい。

  1.  2度のMRIで歯槽骨炎と言われていますが、歯槽骨炎は咬筋や上顎にまで疼き・圧迫感が広がるものでしょうか。
  2. 腐骨が無ければ抗生物質を飲む他治療法は無いのですか。抜歯痕は治っています。
  3. CTでは正確な診断はできないのでしょうか。

どうぞ宜しくお願い致します。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

左側上顎第2大臼歯の抜歯後から続く痛みの原因が判然としないようですが、実はこのようなケースは珍しくありません。骨髄炎や歯槽骨炎は診断が難しいため、治療が難航しやすいのです。>> 2度のMRIで歯槽骨炎と言われていますが、歯槽骨炎は咬筋や上顎にまで疼き・圧迫感が広がるものでしょうか。

現状では歯槽骨炎と確定していないと推察しますが、痛みが歯槽骨の周囲部にまで拡がる可能性はあります。咬筋や上顎に症状が現れても不思議ではありません。

>>腐骨が無ければ抗生物質を飲む他治療法は無いのですか。抜歯痕は治っています。

治療法には抗生物質の他に骨削除術、潅流療法、高圧酸素療法などがあります。

>> CTでは正確な診断はできないのでしょうか。

CTやMRIでも骨炎や骨髄炎の状態を正確に杷え切れない場合は、骨の一部を採取して行う病理組織検査や骨シンチグラムという検査法もあります。

検査をしても原因がはっきりしない、抗生物質でも痛みが治まらないような場合には、痛みの軽減を治療の目標とすればよいでしょう。

慢性的な痛みに対しては、三環系抗うつ薬や抗けいれん薬が有効です。他には麻薬系鎮痛薬、アセトアミノフェン、漢方薬、はり治療、近赤外線照射、ブロック注射、星状神経節ブロック、カプサイシンクリームなども効果が期待できます。

【相談者】12月10日 UT

質問2

こんにちは、早々にお返事を頂き本当にありがとうございます。CTやMRIでも確定診断は難しいのですね…すみません…上下どちらの顎か伝え忘れておりましたが、左下7番抜歯です。(5.6.7番でブリッジをしていました。) 左下7番以外にも顎の中心部?左エラ?左上顎にまで痛みが広がって来ています。

もし骨髄炎だとすると完治は中々難しい様ですね。クラビットを服用すると痛みが軽減されるのでMRIの結果同様、何か炎症がある様に感じています。

現在 大学病院の口腔外科へ薬を頂きに通っていますが、仕事をしており平日の日中に中々思う様に通えないのが不安ですが、樋口先生の様に、大変お忙しい中ご親切に患者が知らない情報を丁寧に教えて頂けるお医者さんは中々いらっしゃらないので、この様に質問できる場を設けて頂き大変感謝しております。

又、主治医に聞けない事など質問させて頂くかも知れませんが、その時もどうか宜しくお願い申し上げます。