口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

右側頸部のしこり

年齢 性別 相談日
10代 男性 2009年9月18日

【相談者】2009年9月18日 10代 男性 M 

今朝起きた時に、右頬(あごと耳たぶ下の輪郭線上の真ん中)に触るとくりくり動くパチンコ玉くらいのしこりを発見しました。触っても痛くなく、歯科で受診したところ、口の中には何もできていないので、頬の皮膚の中にしこりがあるようだと言われました。唾液腺のつまりだとそのうち大きくなるだろうし、痛みがないので様子をみて過ごせばよいとのことでした。どう思われますか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

可動性の腫瘍が右側頸部か頬部の皮下に存在するということだと思います。腫瘍が何であるか幾つかの可能性が考えられます。

  1. リンパ節側頸部や頬部には小さなリンパ節が多数あるが、これが何らかの刺激で大きくなったもの。
  2. リンパ上皮性のう胞、側頸のう胞内部に粘液が入った風船状ののう胞。
  3. 良性腫瘍線維腫、脂肪腫、粘液腫などの良性腫瘍。
  4. ガン腫瘍が良性ではなく悪性の場合。

この部分には耳下腺がありますが、大きさや性状からは「関係ない」と思われます。また、触って調べる以外に超音波断層撮影(エコー)やCT、MRI、穿刺細胞診、全摘生検(組織検査)などの方法もあります。大きさに変化がなければ、そのまま放置しておいても問題はなさそうですが、ご心配であれば上の検査を行っている病院を受診されるとよいでしょう。

歯の根の先端部分が虫歯菌に感染して炎症が続きいつまでも治らない場合(根尖病変)は、歯根端切除術や意図的再植術で対応が可能なケースもあります。また、歯周病が進行して前歯を支える骨(歯槽骨)がなくなり歯がもたない場合は、骨移植やエムドゲイン、GTR、ハイドロキシアパタイトなどの方法によって歯槽骨を再生させたり補強したりする対応をとります。

現在前歯がどのような状況にあるのかわかりませんが、歯を延命させることは可能かもしれません。

一方インプラントが難しいとのお話から、おそらく歯槽骨が少なくなっているのでしょう。その場合は骨造成(骨移植や人工骨、代用骨、GBRなど)を行って歯槽骨を増やすことも可能ですが、抜歯してインプラントにした方が改善するとも考えられます。