口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

上顎洞根治術数年後の顔の腫れや目の症状

年齢 性別 相談日
60代 女性 2018年5月8日

【相談者】2018年5月8日 T

質問

某歯科大附属病院で異物が上顎にありインプラントする前に取りますと上顎洞根治術を受けたが術後3か月もせず近医でフィクスチャーを埋入してしまった。シュナイダー膜も掻爬され骨も入れず上顎洞貫通。左上6番。その時10分もかからず気腫を生じていたが数年後に顔が腫れてわかる。医師は上顎入口辺りを揉んでいたが眼球変形し網膜浮腫み 視神経萎縮あり。インプラントを外したいが可能かどうかお願いします

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

上顎へのインプラント埋入が予定され、手術の障害となる上顎洞内の異物を除去したということでしょうか。例えば異物が上顎洞底の上顎骨と上顎洞粘膜(シュナイダー膜)との間に存在していたとすれば、シュナイダー膜を掻把して取り除く必要はありません。

シュナイダー膜を取り除くということは、上顎洞全体に感染による慢性的な炎症が拡がっていたと推察しますが、異物が原因となって感染が拡がった可能性もあります。そのような状況であれば、異物除去に留まらずシュナイダー膜まで取り除く必要があります。

インプラントを上顎洞内に貫通させたということですが、上顎洞は空洞で骨がないため貫通させても役に立たないはずです。従ってなぜ貫通させたかは不明ですが、上顎洞根治術により上顎洞内に骨添加が生じ、インプラントの支えとなることを期待したのかもしれません。

インプラント埋入時に気腫が生じたとお考えですが、気腫が生じれば手術直後に顔が腫れるため気付くはずです。また、通常は気腫が生じても数日程度で自然に治癒するため、数年後に気腫が現れることはありません。気腫を思わせるような顔の腫れであっても、気腫とは別物でしょう。

「術後性上顎のう胞」であれば数年ではなく、十数年してから顔の腫れや眼窩底の破壊に伴う眼球の沈下を生じさせる場合があります。視神経萎縮も視神経がのう胞に圧迫されることにより生じたのかもしれません。

さて、本題のインプラント除去については可能であると考えます。インプラント周囲の上顎骨を専用の器具で削り取ればよいでしょう。しかし現在インプラントがきちんと機能しているのであれば、除去する必要があるのでしょうか。

インプラント除去の可否より、現在の上顎洞や眼の状態を調べた上で正しい診断を受けることの方が重要です。診断が下って治療法を検討する段階になってから、インプラント除去について相談されることをお勧めします。