口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

地図状舌

年齢 性別 相談日
30代 女性 2009年5月27日

【相談者】2009年5月27日 30代 女性 A

一年半ほど前から,舌に地図状の炎症が出るようになり,その頻度,ただれの具合も次第に悪化しています。病院などで胃カメラや血液検査などをしてもらいましたが,特に異常は見つかりませんでした。4人家族の中で,小学生の長男と私が同じような舌になり,2人ともだんだん悪化しています。ビタミン剤などを処方してもらって飲んでいますが,あまり効果がありません。よくなる方法はあるのでしょうか。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

舌の上面、すなわち舌背部の粘膜が剥離して赤くなる状態で、「地図舌苔」あるいは「遊走性舌炎」と推測します。地図状舌とは、剥離した舌背粘膜の中央部が凹んで赤くなり、かつ端の部分が盛り上がって白くなることから、舌が地図のような形状になる病気です。

また、地図状舌の原因には諸説があり、

  • 胃腸障害・精神的な緊張
  • ストレス
  • 遺伝
  • 寄生虫
  • ビタミンBの欠乏
  • 女性ホルモンの変調
  • 細菌感染、真菌感染
  • 舌の炎症など

が挙げられます。しかし、残念ながら決め手となる治療法がなく、通常はビタミン剤やうがい薬、胃腸薬などが処方されますが、なかなかすっきりとは回復せず症状が持続しがちです。

そこで、地図状舌の比較的有力な治療法として漢方(中医学)があります。地図状舌を発症させる体質は「脾胃湿熱」か「気陰両虚」のいずれかで、四君子湯や麦門冬湯などが処方されます。