口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

線維性骨異形成症と単純性骨嚢胞の合併

年齢 性別 相談日
30代 女性 2016年6月12日

【相談者】2016年6月12日  T

質問1

2015年9月2日に相談された方と同様の経過を辿った者です。抜歯前に口腔外科でレントゲンとCTを撮影しています。抜歯したところ腫瘍と疑われた部分は空洞で結果は骨異形成症に伴う単純性骨嚢胞でした。やはり抜歯の必要はなかったということでしょうか。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

線維性骨異形成症と単純性骨嚢胞が同時に見られることは珍しくありません。ただし、両者の関係性については現在まで明らかになっていません。

単純性骨嚢胞に近接する歯は必ずしも抜歯する必要はありませんが、虫歯や歯周病が進行している場合には抜歯した方がよいでしょう。また、嚢胞が大きく拡がっている場合は、嚢胞摘出術により歯がぐらぐらになるため抜かざるを得ないケースもあります。

最も問題になる点は、手術前に単純性骨嚢であると判明しないことです。嚢胞と同様に額骨に透過性病変が生じるエナメル上皮腫やガンの可能性も考慮して、抜歯してしまう場合があるからです。

【相談者】2016年7月15日  T

質問2

樋口先生、早々に回答いただきましてありがとうございました。お礼が遅くなり大変申し訳ありません。抜歯した歯は虫歯でもなく、電気歯髄検査では生活歯であり、歯周病でもありませんでした。腫瘍摘出の為の抜歯ということで同意いたしましたが、まさか腫瘍がないとは思ってもみませんでした。

樋口先生に回答いただきましたとおり安全等を取って抜歯したと考えたいところですが、抜歯直後に担当医が助手をしていた衛生士の問いかけに対し「なかったからしゃーない」と言っていたこと、(聞いた時点では意味がわかりませんでした。担当医も私に聞こえていたことは気付いていません。)

腫瘍がなかったにも関わらず紹介状を出したかかりつけ医には「無事腫瘍を摘出した」との報告を出していたことを知り正直、担当医には不信感しかありません。ただ、今後も経過観察を続けなくてはならないことを考えるとこのまま診ていただくしかないのでしょうか。既に術後になりますので転院や担当医の変更は不利になるだけでしょうか。情けない質問ですが、回答いただければ幸いです。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

単純性骨嚢胞について、追加の治療が必要になることはないでしょう。しかし、線維性骨異形成症に関しては二度目の手術が必要になるかもしれません。従って、今後も定期的にエックス線写真を撮るなど経過観察を行うことをお勧めします。

経過観察は手術した医師が望ましいですが、もちろん別の医師、別の医療機関でも可能です。その際には、手術所見や手術前後の画像を添付した紹介状を書いて頂くとよいでしょう。

【相談者】2016年7月7日  T

質問3

回答をいただきまして、ありがとうございました。今後については、先生にいただいたご意見を参考にして、今度こそ後悔のないようにゆっくり考えることにいたします。

相談室の趣旨とは、ずれているかもしれない質問だったにも関わらず、丁寧な回答をいただきましたことに大変感謝しております。