口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

抜歯から1か月経っても痛みが治まりません

年齢 性別 相談日
40代 女性 2018年11月1日

【相談者】2018年11月1日Y

質問1

はじめまして。よろしくお願いします。一カ月以上前に 右上三番の歯を抜歯したのですが、抜歯して5日後位にドライソケットになってしまいました。ユージカルセメントで定期的にパックしていただいていましたが全然痛みが取れなくて、現在はトンネルみたいに穴があき、赤い血栓が少し見える感じです。

さすがにもう1ヶ月以上経つので本当に心配になってきました。骨は隠れているが、薄い膜がある程度みたいです。ヒリヒリした痛みがずっとあり激痛ではありませんがしんどいです。シリンジで穴を定期的に洗っているのですがそのたびにズキズキ痛みます。ガーゼを噛んでいると随分楽になるのでずっとガーゼを噛んでいます。

このように長引く場合もあるのでしょうか?毎日鏡でチェックしていますがなかなか歯肉が盛り上がってくる様子がありません。ct レントゲン は2週間前に取りましたが異常なしです。もともと炎症が長い間あった歯だったのが原因でしょうか?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

ドライソケットとは、抜歯後に骨に生じた空洞( 抜歯窩)がなかなか治癒しない症状をいい、「ドライソケット」とは「乾いた抜歯窩 」という意味です。正常な抜歯窩は血餅や肉芽組織で覆われているため骨面が露出することはありませんが、「ドライソケット」になると抜歯窩が血餅や肉芽組織で覆われず、骨面がむき出しになるため、水や食物に刺激されると歯の周囲に慢性の炎症が起きやすくなります。歯の周囲の骨が硬化して血行が悪くなると抜歯後の出血が少ないため、骨面が血餅で覆われにくいことが原因であるとされています。

ドライソケットに対してはガーゼやセメント、シリコンなどで骨面を覆うことにより刺激や痛みを防止し、骨面が軟組織で覆われて治っていくのを待ちます。

現在は骨の露出がないようですが、骨面を覆う軟組織が薄いため刺激が加わりやすいのでしょう。そのために痛みが生じていると推測します。

残念ながら、抜歯後の痛みが長引くことはあります。抜歯窩周囲の骨が硬化しているとドライマウスになりやすく、血行不良のために抜歯後の治りが遅くなります。また、糖尿病や肝硬変などの病気があったり、ビスホスホネート製剤など骨代謝に影響を与える薬を使用している場合も治癒が遅れがちです。

【相談者】2018年11月2日Y

質問2

お忙しい中ご返答ありがとうございます.今後どのように対処したら良いでしょうか? 引き続き軟膏のついたガーゼを詰めている方が良いでしょうか? 治りが悪い場合はどれ位の期間様子を見ればよいでしょうか?

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

引き続き、軟膏のついたガーゼを詰めて治りを待つことになりますが、いつまでも症状が続く場合は抜歯窩周囲の骨を切除する手術が必要になるでしょう。