口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

鼻歯槽のう胞

年齢 性別 相談日
40代 女性  2010年2月2日

【相談者】2010年2月2日 40代 女性 N

2か月くらいまえから小鼻の下に硬いしこりのようなものを感じるようになりました。小鼻の外側、鼻の中、口の中(前歯の上のはぐきより上の場所)の三方向から同一のしこりを触ることができます。見た目にはわかりませんが、他人がさわってもしこりはわかる大きさです。

耳鼻咽喉科で診察をしてもらってますが、これという病名はわかりません。痛みは今のところとくにないので、手術などはしてません。CT検査まではしましたが、ガンではないそうです。

素人判断ですが、鼻歯槽のう胞というものが一番近い気がしていろいろ探してるうちにこちらにたどり着きました。もっといろいろ知りたいです。どんなことでもかまいません。

それから10年近く前に前歯を差し歯にしています。この歯の上の方がこりこりしています。何か関係がありますでしょうか?よろしくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

「鼻歯槽のう胞」は小鼻(鼻翼)の皮下組織にできるのう胞であり、「鼻涙管」という目から鼻への涙の流れ道が胎児期にできる際に、本来消えるはずの組織が残ってしまってそこからできたものです。鼻歯槽のう胞はエックス線写真には映りませんが、CTを撮れば内部が空洞で内容液の溜まった丸い病変が確認できるはずです。CTでのう胞が確認できたのでしょうか。その場合は口の中から粘膜を切開してのう胞を摘出します。

鼻歯槽のう胞よりも可能性が高そうなのは10年近く前に治した前歯が治っていないということです。歯の根の中に潜む虫歯菌の刺激で炎症が生じ、歯根のう胞や歯根肉芽腫、フィステルというような状態が根の先の骨の中で生じているのではないでしょうか。

この場合は歯の根の治療をもう一度行うことで治ることが多いのです。エックス線検査で簡単に調べることができるので、一度歯科を受診してください。