口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

頬脂肪体の除去

年齢 性別 相談日
50代 女性 2010年2月5日

【相談者】2010年2月 5日 50代 女性 K

H.21年7月に美容整形でフェースリフトと言う顔の両頬の皮膚と下の筋膜を剥がし、上に引っ張って、髪の毛のところで縫ってある手術を受けました。また H.21年10月に無謀にも口の中からバッカルファットという脂肪の塊2×1cmくらい、両側から除去する手術を受けてしまいました。

術後は感染や特別な腫れもありませんでしたが、11月ころより頬が圧迫され、また口の中の頬がだるい嫌な感じが続いています。医師の説明はまだ傷が固い為でマッサージをつづけていれば、いずれ改善すると言われています。しかしもう2月状態はいっこうに良くならず、抗鬱剤、痛みどめを飲んで辛い毎日を送って居ます。

自然に逆らった事をやってしまった自分を恥じ、また悔んでいます。こう言う状態も顔面痛と言うのでしょうか、何か治療方法がございませんでしょうか、とても苦しんでいます。どうぞよろしく御回答下さるようお願い申し上げます。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

頬の膨らみをなくすために頬脂肪体を除去された後、だるい感じが続くということですが、そのような状態も口腔顔面痛のひとつといえます。

担当医の説明通り、術後の回復がまだ不十分でだるさが残っている可能性が高いと思われますが、その場合は血行を良くして新陳代謝を促進するためのマッサージや温熱療法、低周波治療、通電療法、はり治療、星状神経節ブロックなどが有効であると考えられます。

次に、頬の外側の皮膚や内側の粘膜が痺れていて少し触ると火傷をしたように痛む場合は、頬部分の神経の損傷が原因です。その場合は大変治りにくく、神経ブロックやさまざまな薬による治療が必要でしょう。

3番目は手術をきっかけに原因不明のだるさが生じた可能性が考えられ、その場合はストレスが関連していることから、抗うつ剤を中心とした薬物治療が中心となります。現在すでに抗うつ剤を内服されているようですが、薬の量を増やしていけば効果が出てくるはずです。また、薬以外の治療法として「認知行動療法」も有効です。

【相談者】2010年2月9日 50代 女性 K

いつも丁寧なご回答をありがとうございます。症状は良くならず、今はペインクリニックで精神安定剤と抗鬱薬の投薬を始めました。手術した病院は必ず良くなるの一点張りです。上の奥歯のもう少し奥にティッシュを四分の一くらいに切った物を丸く筒状にして詰めておくと圧迫感も和らぐし、だるさもやや楽になる気がします。

こう言った一種マウスピースの様なものを口腔外科で相談して作る事は可能でしょうか、奥歯に固定(柔らかい素材で)出来れば普段付けて居ても人からもわからないし、痛みが和らぐ様な気がします。

勿論、お薬も使わなければ完全には痛みは無くならないと思いますが、副作用などを考えると出来るだけお薬の量は少なくしたいと思うのですが、私の場合、既に筋筋膜炎になってしまっているのか、まだ術後の経過が長引いているのかわかりません、後者のほうならいずれ治ると希望が持てるのですが、前者の方だと、とても精神的に落ち込みます。

診ていただいていないので、御判断は難しいと思いますが、術後の治りが遅くてこんなに痛みが長く続くものなのでしょうか、私の場合は痛みは圧迫感、だるさ、違和感です。手術した病院では術後は長い、短いはあっても皆いずれ治っていて、ひとりもそう言う病気に成った人は居なかったと言っています。

度々の質問で大変恐縮ですが、毎日悶々と苦しい日々を送っております。どうぞよろしくお願い致します。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

手術後の傷を保護する保護床というものがあり、傷の位置や形に応じて作りますが、一般的には歯を利用して固定します。材質はシリコンや樹脂(アクリックレジン)が一般的で、口腔外科で相談すれば作成できるはずです。

また筋・筋膜痛があったとしてもそれほど深刻になる必要はありません。よくある病気であることに加え、治療も比較的簡単かつ早期に症状が軽快します。従って、口腔外科や歯科を受診されることをお勧めします。

【相談者】2010年2月9日 50代 女性 K

回答ありがとうございます。一つ目のものだと時間が経過すれば治って行くのでしょうか?手術をした医者はそのように言っています。頬を押すといつもではありませんがズキンとした痛みが有る時が有ります。星状神経節ブロックというものはどのようなものですか、危険はありませんか。

二番目の様な症状はありません。抗鬱剤と言うか精神安定剤を服用しています。飲まないと一日中だるさ、圧迫感、不快感に悩まされます。

専門医を受診するつもりですが、一番心配して居るのは三番目の可能性です。抗鬱剤を使って大きな副作用なく、日常生活を送れるようになるでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、毎日辛く、よろしく御回答下さい。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

ひとつ目の場合は、自然に治っていくはずです。星状神経節ブロックとはのどの星状神経節に麻酔薬を注射することによって交感神経の働きを一時的に遮断し、自律神経のバランスを整え、顔面の血行を促進する治療法です。ただし、「ホルネル徴候」「反回神経麻痺」などの副作用や肺に穴があく「気胸」になる可能性があるため、専門家による治療が必要です。

一方、痛みや違和感に対しては抗うつ剤が有効ですが、眠気や便秘、ドライマウスなどの副作用があることに加え、緑内障や不整脈などの持病を持つ方は服用できません。また、精神安定剤は長期間服用すると薬をやめられなくなる「薬物依存症」に陥る危険性があるため、注意が必要です。

【相談者】2010年2月10日 50代 女性 K

再び御回答を戴きましてありがとうございました。

現在はペインクリニックで2週間ほど前から始めた精神安定剤に加え抗鬱剤の投与を始めました。あと1~2週間後に口腔外科で顔面痛の診察を受ける予定になっていますので、その先生のご意見を伺うつもりです。

願わくば治って欲しいと切に願っています。そちらへ伺うのには遠方過ぎて無理な面もありますが、どうか、今後もアドバイスをよろしくお願い致します。