口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

上顎のヒリヒリ感

年齢 性別 相談日
60代 男性 2010年3月10日

【相談者】2010年3月10日 60代 男性 Y

2年程前から寒い季節になると上顎(のどちんこの手前付近)がヒリヒリする感じとなり、舌を押し当てると、強い痛みが数秒間続きます。表面上は腫れや炎症もなく、昨年1月頃近くの耳鼻咽喉科で診てもらいましたが、鼻の内部も含め、特に異常ないと言われました。しかし、最近また痛みがあり心配です。原因が分からずこのままでは悪化するのではないかと思っています。どうすれば良いかご相談致したくメールしました。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

軟口蓋の粘膜に痛みが生じているようですが、腫瘍や感染、外傷などは耳鼻咽喉科の診察によって否定されたということですね。また、入れ歯が粘膜を傷付けている可能性もないということですね。

今回のような症状は、唾液が少なくなって口が乾く「ドライマウス」の場合にしばしば出現します。ドライマウスになると粘膜が傷つきやすくなると同時に、治りにくくなります。一度、ドライマウスの有無について検査を受けられることをお勧めします。

ドライマウスになるとカンジダという真菌(カビ)が繁殖し、ヒリヒリと痛む場合があるため、カンジダ菌の検査も必要かもしれません。口腔カンジダ症に対しては抗真菌剤のうがい薬や内服薬が有効です。

また、ストレスなど心理的・社会的な要因で痛みが生じる場合もありますが、その場合はストレスへの対処や薬の服用が必要となります。

他に、まれなケースではありますが「舌咽神経痛」が原因で軟口蓋に瞬間的な強い痛みが生じることがあり、その場合は抗けいれん剤の内服が有効です。また、脳腫瘍などの脳内の異常で軟口蓋に症状が現れる場合もあるため、脳のCTやMRIで問題の有無を確認しておいた方がよいかもしれません。