口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

下の親知らずの抜歯後の舌の痛みとしびれ

年齢 性別 相談日
40代 男性 2010年5月2日

【相談者】2010年5月2日  40代 男性 IA

長年放置してました虫歯(下顎8・7番)を抜歯し、6番も抜歯予定です。虫歯は上下で沢山あります。抜歯中、麻酔が効かず何度も針を打たれました。舌もビリビリ状態の抜歯でしたが、それ以来舌の痛み、抜歯側半分、縁にかけて違和感、ピリピリ感、舌苔が舌全体に出来、真っ白になってしまい歯科医に見せたところ舌炎だとの事で、ネオステリンでのうがいと歯ブラシによる軽く舌磨きを勧められ行っています。麻酔による刺激で舌炎を起こすこともあるのでしょうか?

舌苔と痛みがでてから10日位になりますが、舌磨きをしないでいるとまた舌苔が増えます。ピリピリ感は朝から晩まで続くわけではありませんが違和感は常々あります。(火傷後のような)

最近、食生活が不規則で食事も夜一回の時が多かった中での抜歯でした。胃腸の調子も悪く下痢気味の時も多々あるなかでの抜歯が悪かったのでしょうか?最近では、もしか舌ガンではと気になりネットで調べては、不安に暮れてます。通院は一般歯科医院です。宜しく御願い致します。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

舌の半分に麻痺が生じているようですね。この部分の感覚を司るのは左右1本ずつ走行している舌神経ですが、片側の舌神経に何らかの障害が生じたのではないかと推測します。舌下神経は下顎8番、すなわち親知らず付近の舌側粘膜の内部を走行し、その先で舌に入るため、親知らずの抜歯の際に神経を傷付ける場合があるのです。

神経の障害の原因としては他にもウイルス感染や脳腫瘍などがありますが、原因が不明の場合もあります。

また、舌神経が完全に切断された場合は舌の知覚がなくなるものですが、現状としてピリピリ感や違和感が生じているということから、神経の損傷は部分的なもののようです。その場合、時間の経過により自然に治る可能性もありますが、一方で脳内や骨内の腫瘍や炎症が原因となっている場合もあるため、検査が必要な状況かもしれません。

一方、神経の損傷に対してはビタミン剤などによる薬物療法や、星状神経節ブロックなど局所循環を改善することにより、神経の修復を促進させる治療法もあります。

なお、舌が白くなる理由については原因がわかりません。神経損傷の影響かもしれないし、体調の変化が原因かもしれません。

従って一度、大学病院や総合病院の口腔外科を受診されることをお勧めします。