口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

粘液嚢胞を摘出後のしびれ

年齢 性別 相談日
20代 女性

2019419

質問

お忙しいところすみません。私は1ヶ月以上前に舌の裏にできた粘液嚢胞を摘出する手術を受けたのですが、舌がひきつるような、くっ付いているような?感覚と舌先の痺れが一向に治らず、とても不安です。

病院ではまれに痺れが出る人もいるけれど2,3ヶ月でほとんどの人が治っていると聞きました。しかし1ヶ月以上が過ぎた今も痺れが少しもよくなっていません。一生このままだと思うととても不安です。1ヶ月以上たっても全く良くなる傾向がない中、この先治ることがあるのでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

舌先の下面の粘膜下には前舌腺(Blandin-Nuhn腺)という小唾液腺が多数存在します。この唾液腺や唾液が流れ出す導管が何らかの理由により傷つくと唾液が粘膜下の組織に流れ出し、唾液が溜まって粘膜が膨れ上がり風船状となる粘液嚢胞が生じます。舌下面にできる粘液嚢胞を Blandin-Nuhn嚢胞ともいいます。

粘液嚢胞は表面が傷ついて唾液が漏れ出し壊れることがよくありますが、唾液が漏れ続けているとすぐ再発します。従って、粘膜を切開して粘液嚢胞と傷ついた前舌腺を摘出する必要があります。

1ヶ月前にこの手術を受けられ、舌尖部の知覚麻痺が生じたようですね。粘膜には細かい神経が網の目のように張り巡らされているため、粘膜を切開すると必ずその部分の神経が切断されて知覚麻痺が生じます。これを避けることはできません。

知覚麻痺は半年、1年と時が経つにつれて徐々に回復していくので心配は無用です。

謝辞 2019421

先日は、舌の粘液嚢胞手術の痺れについてご返答頂きありがとうございました。一生このままだと思っていたので、治る見込みがあるとのことに安心しました。病院からは麻酔が舌に残って痺れが出ていると言われていたのですが、神経が傷ついて生じていたのですね。麻痺が消えるまで、不安はありますが、様子を見てみようと思います。