口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

含歯性嚢胞とエナメル上皮腫の鑑別

年齢 性別 相談日
50代 男性 2019年8月18日

質問

2カ月前に顎骨内に埋没している親知らずを抜歯し、その周りにあった含歯性嚢胞を摘出しました。抜歯と嚢胞摘出は町の普通の歯科医院で同時に行い、2カ月経過していますが、経過は良好です。

そんな折、ネットで色々と情報を見ていたところ、含歯性嚢胞とエナメル上皮腫は画像診断では鑑別が難しい旨の情報に接しました。歯科医院では抜歯および嚢胞摘出前にレントゲンはとっていますが、摘出した嚢胞の病理検査等は行っていません。

含歯性嚢胞とエナメル上皮腫は画像診断では鑑別が難しいとのことですが、実物の病変も見分けがつかないのでしょうか歯科医院の先生も含歯性嚢胞と思い込み、エナメル上皮腫を見逃すことはありますでしょうか? 抜歯の傷跡はふさがっていますが、エナメル上皮腫ではないことを確定するすべはありますでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

エナメル上皮腫の中でも単胞型のものは含歯性嚢胞と肉眼的に区別しにくく、エックス線上でも相似しています。病理組織検査を行った上で診断を確定させるため、病理組織検査をしていない以上、もはや確認する術はあろません。

エナメル上皮腫は数年~10年後に再発することが多いため、定期的なエックス線撮影により異常の有無を調べることをお勧めします。

謝辞 2019819

ご丁寧にご回答ありがとうございました。いずれにしても、6カ月サイクルでレントゲン+CTなどの定期検査を行い、経過を注意深く見てまいります。ありがとうございました。