口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

犬歯の埋伏

年齢 性別 相談日
30代 男性 2010年6月12日

【相談者】2010年6月12日  30代 男性 TH

はじめまして。13歳になる娘の事についてご相談があります。第3歯に生え変わるはずの歯が、第1歯の永久歯の根っこを溶かしているため、永久歯が抜けると言われました。手術で邪魔な第3歯を取る事は可能でしょうか?永久歯を再植することは可能でしょうか?年頃の娘な為、前歯が抜けている状態は避けたいと思います。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

上顎の犬歯(3番)が前方に傾斜して埋伏した状態で、犬歯の歯冠部分が中切歯(1番)の歯根を圧迫し、歯根が圧迫吸収されているのでしょう。このまま歯根の吸収が進行すれば、中切歯が動揺して抜けてしまう可能性があります。

ただし放置しても歯根の吸収が進まず、中切歯には何の問題も生じないかもしれないため、今すぐに対処が必要な状況であるかどうかは判断できません。

さて質問についてですが、前方に傾斜して埋伏した犬歯を抜くことは可能で、粘膜を切開して剥離し、骨を削除すれば犬歯は抜歯できます。ただし、その際に中切歯や側切歯(2番)の歯根を傷付けないよう慎重に抜く必要があります。また、本来犬歯が生える位置にある骨に穴を開け、再植することも可能です。

しかし、現状では抜歯するよりも矯正治療で正しい位置に引っぱり出す方法をお勧めします。粘膜切開と骨削除を行って犬歯の歯冠部分にブラケットという装置を接着し、ゴムなどで牽引するのですが、同時に矯正用インプラントを上顎に埋入して牽引時の支点にする場合もあります。

従って、矯正治療や再植についてよく相談されることをお勧めします。