年齢 | 性別 | 相談日 |
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40代 | 男性 | 2010年8月17日 |
【相談者】2010年8月17日 40代 男性 O
質問
左下顎に親知らずが水平に生えています。その親知らずと次の歯の根元にバクテリアが溜まっていると言われました。痛みはありません。でも、担当医の話だといつかは症状が悪化してしまうので、手術でその親知らずを抜いてから隣の歯の治療(昔に詰めたプラスチックの詰め物が取れた)を始めた方がいいと言われました。
このサイトにも説明してありましたが、水平に生えた親知らずは抜いた方がいいのでしょうか?あと、すでにバクテリアが少しでも溜まっている場合、手術以外治療方法はないのでしょうか?
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
親知らずの手前の第2大臼歯に「根尖病変」と推測されるエックス線像が写っているのでしょうね。虫歯になる前に歯の神経を抜いて治療を受けられたと思われますが、今もなお根尖部に虫歯菌が居残り、顎の骨を溶かしているのでしょう。神経が死んでいるにもかかわらず、神経を抜く治療がまだ行われていないのかもしれませんね。
このような場合は、根の中をきれいに掃除したうえで根管拡大と根管貼薬、根管形成、根管充填を行うことが望ましいと考えられます。ただし、今まで特に不都合な症状が生じていないようなので、何もせずにこのまま様子をみていくという方法も間違いではありません。この点については、担当の先生とよく相談された方がよいと思います。
さて親知らずについてですが、水平に生えている場合は原則として抜くことが望ましいといえます。水平になっているということは、「上の歯と接触してものを噛む」という歯の役割を果たしていないはずです。つまり何の役にも立たず、周囲の歯や歯肉などに対して害がある状況ですから、このような歯はできるだけ抜歯した方がよいのです。
ただし、水平になっている親知らずは簡単に抜けないため、抜歯には一定の技術が必要となります。歯肉の切開や歯の分割、骨の削除などを行うため、抜歯後は歯肉や下顎面が腫れやすく、口が開きにくくなったり、痛んだりする場合がよくあります。また、神経が傷ついて麻痺が生じるケースも稀にあります。
上記のような問題はあるものの、それでも抜く方が得策なのです。親知らずを残したために周囲の歯が悪くなると、問題が残る可能性が高いからです。それでも抜きたくないという場合は、親知らずの部分をきれいに磨く方法を指導してもらい、よい状態を保つよう心がけてください。