口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

左耳の下から顎にかけて痛みと腫れ

年齢 性別 相談日
20代 女性 2010年8月11日

【相談者】2010年8月11日  20代 女性 P

質問

唾石症はレントゲンで判りますか?左耳の下から顎にかけて痛みと腫れがみられます。リンパの通る首筋周辺とも言えますが、食事をする時とその後に特に症状が強くなります。酸っぱいものを食べた時のような感覚も走り、食事が思うように摂れないでいます。

歯科を受診しレントゲン撮影をしましたが、顎関節症と判断された以外は特に何も診断されませんでした。顎関節症により唾石症によく似た症状がみられるケースはよくあるのでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

唾液は主に耳の下にある耳下腺で作られ、分泌されます。耳下腺で作られた唾液はステノン管という管を伝って前方に流れ、頬粘膜にある耳下腺乳頭から口腔内に出てきます。ところが、何らかの理由で唾液の流れが悪くなると、唾液が耳下腺内に溜まって痛むようになり、特に酸っぱいものを食べた時に痛みやすくなります。

唾液腺の流れが悪くなる原因としては、ステノン管内にできる唾石が挙げられます。耳下腺の萎縮や変性、薬の副作用などによって唾液分泌量が低下すると唾石ができやすくなりますが、できていなくてもステノン管の内径が細くなって唾液の通りが悪くなると、耳下腺部の腫れや痛みが生じます。また、口腔内からの細菌感染によりステノン管の内径が細くなると、逆に唾液流出の減少によって細菌感染を起しやすくなります。

唾石の有無については、耳下腺部のエックス線撮影や超音波断層撮影(エコー)、CT、唾液腺造影、唾液腺造影CTによって確認することができますが、大きい場合は手で触って確認できる場合もあります。

また、耳の下の部分には顎を動かす筋肉も走行していることから顎関節症も疑われますが、顎関節症と耳下腺炎(耳下腺唾石症を含む)が併発している可能性もあります。