口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

咬筋肥大症に対する咬筋切除術

年齢 性別 相談日
30代 男性 2010年8月2日

【相談者】2010年8月2日  30代 男性 F

質問

噛む時に咬筋が時々痛み食事に支障をきたします。正面から見ても咬筋の張り出しがわかるので咬筋肥大症だと思うのですが咬筋切除を切実に考えています…この手術を受ける場合、大学病院の形成外科あるいは口腔外科どちらに行けばよろしいんでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

エラが張った顔貌かつ食事中に痛みが生じている状態ということですが、一番お困りの点は痛みでしょうか、それとも見た目でしょうか。それによって治療内容が異なります。

見た目が気になる場合は、美容外科で咬筋や下顎角部の骨の張り出しを治療するのがよいでしょう。咬筋肥大症に対しては、咬筋を下顎骨から切り離して萎縮させる「咬筋切除術」や咬筋を切断して除去する「咬筋切除術」という手術法がありますが、手術は神経を損傷してしまう可能性があるため、ボツリヌス毒素A(ボトックス)の注射で咬筋を萎縮させる治療法が一般的なようです。

また、下顎角の骨の張りに対しては下顎角除術という手術を行いますが、これらの治療は審美的な改善を主目的としたものであるため保険が適用されず、治療費は高額となります。

一方、咬筋の痛みでお悩みの場合は口腔外科を受診していただくことになります。咬筋が肥大する原因には歯ぎしりやくいしばりの癖、スポーツや力仕事によるくいしばり、ガムを噛む習慣などが挙げられますが、ストレスや不安など心理的な要因が関与しているケースも多くみられます。

従って、原因や病態をよく調べた上で薬物療法、スプリント療法、簡易精神療法、認知行動療法、ハリ治療など多種多様な治療法の中から最適な方法を選択する必要があります。これらの治療法のほとんどが保険適用ですから、まずは口腔外科を受診されることをお勧めします。