口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

歯数不足症

年齢 性別 相談日
30代 女性 2011年1月19日

【相談者】2011年1月19日  30代 女性 A

質問

私の小学6年生の娘についてのご相談です。私の娘は永久歯が上9本、下2本足りないということです。そのせいか前歯には隙間があり、噛み合わせも2~3箇所しかなく食べにくそうにしています。現在歯科にかかっていますが、これ程に足りないのは珍しいと…治療計画を模索しているような感じです。

将来的にはインプラントを考えてはいますが、今はどのようにしていけばいいでしょうか?また、このような症状があるという事は他にも何か病気が隠れているのでしょうか?歯科以外にも相談に行った方がいいのでしょうか?ご回答宜しくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

歯の本数が足りない病気を「歯数不足症」といい、英語ではhypodondiaといいます。上顎の歯が9本も足りなければ物をかんで粉砕する(咀嚼する)効率が悪く、胃腸に負担がかかったり、発育に問題がでたりします。

よく咀嚼できるようにするためには入れ歯(義歯)を作ってもらうのがよいでしょう。子供は大人と比べて適応力に富んでいるため、義歯に対してもすぐに慣れて上手に使いこなせるようになります。将来はインプラントが有力な選択肢となりますが、顎が成長する10代の間は成長に応じてこまめに義歯を調整したり、作り換えたりすることが必要です。

この病気の原因として有名なのが「外胚葉異形成症」です。この病気は薄毛、爪の変形、汁が出ないなどの症状があり特徴的なのですぐ分かります。他にもさまざまな原因がありダウン症、口唇裂・口蓋裂などの病気でも起こります。妊娠中の異常も大きな要因で、はしかの感染、ダイオキシン、抗ガン剤、放射線治療が影響する場合もあります。

今まで説明した内容はどれも明瞭なものばかりなので関連があるかどうかはご自身でお分かりになると思います。ただし、これらの問題は過去に起こったことであり、病気が隠れていて今後注意しないといけないというものではありません。

唯一注意が必要なのは甲状腺機能の低下による歯数不足症の場合です。甲状腺の機能については一度検査を受けられた方がよいでしょう。