口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

ドライマウスと味覚障害

年齢 性別 相談日
70代 男性 2011年4月4日

【相談者】2011年4月4日  70代 男性 HM

質問1

78歳の男性。2月下旬頃から、夜間に口中がパリパリに乾燥し、苦味を感じるようになりました。3月初旬から、晩酌のお酒の味がしなくなり現在禁酒中です。ノドの病気かも知れないと思い、耳鼻咽喉科クリニックで各種検査をしましたが、全く異常なしとのこと。昨夜、カンビールを飲みテストして見ました。2時間ほど強い苦味が残り、その後は弱い苦味になり、今も微弱の苦味が残っています。舌苔取り用のリンクで掃除もしましたが、微弱の苦味は一向に消えません。ようやくにして、舌の病気を疑うようになりました。Webで検索。貴相談室が見付かりました。よき治療方法をお教え下さい。よろしくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

口の中が乾燥するドライマウスと味覚障害が生じているようですね。味覚障害はドライマウスが原因となる場合と、ドライマウスに関係なく生じる場合があり、いずれも原因となる問題を調べて改善する必要があります。

ドライマウスには大きく分けて約10の原因が挙げられますが、そのうち頻繁に見られるのが薬の副作用で起こるケースです。従って、副作用の多い薬を服用されている場合は、担当の先生と一度ご相談ください。薬を減らす、あるいは変更することによってドライマウスが改善するケースも多く見られます。

現在78歳という年齢から推察すると、筋力の衰えにより唾液の出が悪くなっている可能性があります。対策として、口の内外の筋力を向上させるトレーニングを試してみてはいかがでしょうか。また、年齢的に頻尿や尿失禁の問題が起こっているのかもしれませんが、水分摂取を控えると当然、口が乾きやすくなります。頻尿治療薬は、ドライマウスを引き起こす代表的な薬物です。

一方、味覚障害はドライマウスの改善によって自然に解消する場合があります。また、亜鉛不足が原因で生じるケースも多くありますが、その場合は亜鉛を摂取する必要があります。その他、口の乾きや味覚の異常がストレスや不安、うつから生じる場合もあり、その場合は抗うつ薬や抗不安薬などによる薬物療法が有効です。

www.koku-naika.com/p248drymouth1.htm

【相談者】2011年4月20日  70代 男性 HM

質問2

樋口先生へ

ドライマウスと味覚障害のアドバイスありがとうございました。6年前から夜間頻尿治療薬(ハルナール)を連用していますが、ドライマウス、味覚障害症状は起きていません。

ただ、昨年12月ごろから便秘症状が強くなり、かかりつけの胃腸病院受診の結果、1月からマグラックス錠(酸化マグネシウム)を飲用しています。当初、毎食後3錠の処方がありましたが、下痢が強いため主治医に連絡し、毎食後2錠、さらに1錠に減らし、現在では就寝時1錠にしています。この薬の副作用として主治医から「下痢」を告げられていますが、独自に調べてみると「口渇」が見つかりました。当分の間、「就寝時の連用をストップし様子を見ることにします」。

症状の好転がない場合、大学病院のドライマウス外来受診も視野に入れております。ありがとうございました。