口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

口腔内の粘膜にざらつきを感じる

年齢 性別 相談日
60代 男性 2011年4月28日

【相談者】2011年4月28日  60代 男性 HT

質問1

数か月前(1月下旬頃)から口腔内の粘膜にざらつきを感じる様になりました。特に入浴時、湿度の高い時、水を飲んだ時等に口腔内全体に広がり不快感が強いです。普段は口腔の奥のほうの周囲にざらつきがあります。口臭も強くなったように感じます。4月になってから特に強くなりました。

歯科、耳鼻咽喉科、口腔外科等で診てもらっても特に所見は無いとのことですし、口腔の乾燥も特にありません。また、味覚も何となく味気ない感じがし食事があまり美味しくありませんし、少しパサパサ感もあります。今までアレルギー性鼻炎は有りましたが、花粉症にしてもこんな症状は有りませんでした。

薬はいろいろ服用しています。主な薬剤は、ワーファリン、サンリズム、ブロプレス、アロチーム、ゾピクールです。薬剤の副作用とも思ったりするのですが、これらの薬はざらつき感が出る前から服用しています。

ともかく訳が分からずとても不安です。3月末で退職しましたので精神的なものが原因かとも思ったりもしていますが・・・。宜しくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

口腔粘膜の異常はドライマウスの一症状として現れるケースが多いのですが、どうやらドライマウスではなさそうですね。粘膜のざらつきが見られるものとして、他にカタル性口内炎や剥離性口内炎、白板症、多形成浸出性紅斑症候群などを挙げることができます。しかし、これらは全て肉眼で確認できる粘膜の変化を伴うため、これまでの「特に所見は無い」との診断から、可能性は少ないと考えます。

ざらつきがあるにもかかわらず明らかな異常が見当たらない場合には、「口腔異常感症」という病名が付けられます。原因としてうつや統合失調症は少数で、多くは脳内の感覚の異常によって起こり、治療は抗うつ薬や抗精神病薬などを服用する薬物療法が中心となります。

一方、口臭や味覚の低下は、ドライマウスや薬の副作用によって引き起こされるケースが多く見られます。従って唾液量の測定などを含め、ドライマウスの詳しい検査を一度受けられることをお勧めします。

www.koku-naika.com/p241psychosomaticdentistry4.htm

【相談者】2011年5月6日  60代 男性 HT

質問2

丁寧に回答いただき有難うございます。1週間ほど前より、ゾピクール(睡眠導入剤)の服用をやめ(服用しなくても入眠に支障は出ていませ。)、又亜鉛のサプリの摂取、ドグマチール(抗うつ薬)を朝夕2回の服用をし始めた所、味覚の回復とざらつきの減少等があり症状が徐々に好転してきました。

何が功を奏したかは解りませんが、ともかく不快感は減少しています。精神的にもかなり楽になりました。このまま少し様子を見ようかと思っています。又相談させていただく事も有るかもしれませんが・・・・・。有難うございました。