年齢 | 性別 | 相談日 |
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70代 | 女性 | 2016年1月31日 |
【相談者】2016年1月31日 FOX
質問1
昨年12月中旬に大腸検査を行ったときに口がカラカラに乾きそれ以降乾いた状態が続いています。当初は乾くだけでしたが1月になった頃から口内が苦く感じるようになりました。1月になって耳鼻咽喉科に通い始めサラジェンを処方され飲むようになりましたが、飲んだ時には唾液が出ますがしばらくするとまた乾いてきます。
今は、食事は何を食べても苦く感じるため、あまり食べる事ができません。また、普段も常に口の中が苦く感じるようになっています。原因は何が考えられますか?また何科にかかるのがいいのでしょうか、アドバイスをお願いします。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
複雑な状況のようですね。可能性のありそうな疾患を以下に挙げてみます。
口の乾きに対して、耳鼻咽喉科でサラジェンを処方されたようですね。サラジェンはムスカリン作動薬という種類の内服薬で、唾液や涙の分泌量を増やす働きがあり、ドライマウスやドライアイに対して有効です。ただし、シェーグレン症候群という自己免疫疾患以外は処方できないという保険の規則があります。
シェーグレン症候群であると診断するためには、唾液分泌量の測定やドライアイの検査が必要で、唇の唾液腺を幾つか切り取って病理組織検査を行う必要がありますが、検査は受けられましたか。また、結果はどの程度でしたか。
シェーグレン症候群であれば腎炎や肺炎、悪性リンパ腫などの病気を合併している可能性があるため、免疫内科(膠原病内科、リウマチ科)で詳しく調べる必要があります。
ドライマウスの症状があるようですが、口がカラカラになる原因は大きく分けて2つあります。ひとつは唾液の分泌量が低下している場合、もうひとつは口呼吸により唾液が著しく蒸発している場合です。適切な検査を行い、原因に応じた対応が必要です。唾液の分泌量が少ない場合にサラジェンが有効ですが、他にも幾つかの選択肢があります。
口の中が苦く感じるという点についても、ドライマウスの影響が疑われます。唾液は食べ物の味を味蕾(味を感じる細胞)に伝える働きがあるため、ドライマウスが改善すれば苦味もなくなる可能性があります。一方ドライマウスとは関係なく、単に味覚がおかしくなっている場合もあります。メイラックスという抗不安薬はこの種の味覚異常を改善する見込みがある他、抗うつ薬が効果を発揮する場合もあります。
ドライマウスやシェーグレン症候群について検査を行い、実際の有無や程度を調べる必要があります。一度、耳鼻咽喉科の先生と相談されることをお勧めします。必要であれば、ドライマウスや味覚異常に詳しい専門医を紹介していただけるはずです。
【相談者】2016年2月2日 FOX
質問2
遅くなりましたが、情報が少ないながらも有意義な情報をありがとうございます。次回受信予約(9日)までに、通院履歴から、症状と診察結果を整理し直し、シェーグレン症候群・ドライマウス・味覚異常の検査をお願いしてみようと思います。今は耳鼻咽喉科に通っていますが、口腔外科に変えた方が良いのでしょうか?
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
まずは9日の耳鼻咽喉科受診の際に相談されてはいかがでしょうか。その結果を踏まえて、口腔外科の受診を検討されるとよいでしょう。