口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

2週間たってもまだドライソケットが痛む

年齢 性別 相談日
40代 女性 2012年10月11日

【相談者】2012年10月11日  女性M

質問1

乳癌のため、抗がん剤治療が始まります。その前に根治をしてもフィステルができたままの上顎7番の歯を抜歯しましたが、ドライソケットになってしまいました。2週間たってもまだ痛みがある状態ですが、予定通り抗がん治療(分子標的薬+ホルモン療法+抗がん剤)を始めてもよいでしょうか?

2週間たっても激しい痛みがある場合ドライソケットではない可能性もありますか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

ドライソケットとは抜歯により生じた穴(抜歯窩)に血のり(血餅)ができず、骨がむき出しになった状態をいいます。本来なら血餅が薄い皮(粘膜上皮)に変わり、徐々に抜歯窩が小さくなっていきます。

ドライソケットは、過度なうがいで血餅が剥がれてなくなったり、抜歯前に炎症が続いて骨の栄養状態が悪くなる硬化性骨炎に罹患していると起こりやすくなります。また、栄養状態や免疫力の低下によっても生じやすいため、現在そのような状況にあるのかもしれません。冷たい飲み物などがしみて、ズキズキ痛むことはありますか。それがドライソケットの典型的な症状です。もし該当する場合は、抜歯窩を保護する処置で痛みをやわらげることができるため、対応してもらいましょう。

一方、ドライソケット以外では隣歯の歯髄炎や根尖性歯周炎、筋・筋膜痛、上顎洞炎、神経障害性疼痛、疼痛性障害、本能性疼痛などがあります。

痛みの原因が何であろうと対処は可能です。乳癌の治療の開始を遅らせてまで、優先的に治療を受ける必要はないと思います。まずは化学療法を開始し、それと平行して上顎の痛みへの対応を検討されることをお勧めします。

【相談者】2012年10月11日  女性M

質問2

返信ありがとうございます。とても分かりやすい説明で大変助かりました。私の場合は骨は見えてません。冷たいものがしみることもないです。しかし、まるで根管治療をした時のような痛みがあります。

先生が言われるような、骨髄炎や神経障害性疼痛、疼痛性障害、本能性疼痛などかもしれません。しばらく様子を見て、それらを視野に入れてCTを撮るなどして、詳しく調べたいと思います。