口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

心因性の痛みはお薬などで改善するのでしょうか

年齢 性別 相談日
30代 女性 2013年4月11日

【相談者】2013年4月11日  女性b

質問1

1ヶ月くらい前から上の歯が痛くなり、歯医者でみてもらいましたが、術後性上顎のう胞はあるが、腫れもないし血液検査もCTでも特に問題ないということでした。心因性のものだと思うといわれましたが、お薬などで改善はするのでしょうか?今はデパスを飲みはじめましたが、違和感はなかなか消えません。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

歯に異常がなくても歯が痛むことはあり、上顎洞の病変が痛みの原因となる場合もあります。CTや血液検査などの結果から、術後性上顎のう胞は認められるものの、痛みの原因となる細菌感染は起こらないと判断されたのでしょう。

しかし、それだけで痛みの原因が心因性であると断定することはできません。筋・筋膜性の痛みや神経障害性疼痛、虚血性心疾患、機能性頭痛など歯の痛みの原因は多種多様にあり、中には原因が全く見つからない本能性歯痛もあります。

心因性を指摘されたのは、ストレスが強くなるような身の周りの変化があったということでしょうか。それとも、ストレスに弱い性格なのでしょうか。心因性の場合はデパスの効果が期待できますが、「違和感がなかなか消えません」ということから判断すると、心因性ではない可能性もあるため、原因について詳しく診てもらう必要があります。

治療方法は原因によって異なりますが、ほとんどのケースで痛みの軽減や消失が見られます。

【相談者】2013年4月15日  女性b

質問2

回答ありがとうございました。すみませんが、もう一度質問させてください。

産後でストレスと疲労がかなり掛かってしまったのはあります。ストレスにも弱い方だと思います。デパス飲み始めて3週間くらいにはなるかと思います。この薬を飲んでだいぶよくはなりました。ただ気分がいいときは、痛みは感じず、しんどい時にやはり違和感がでてきます。これは心因性でしょうか?

歯科ではテグレトールも処方されましたが、これは効果はなかったように思います。

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

テグレトールは抗けいれん薬、抗てんかん薬であり、三叉神経痛に効果を発揮するお薬です。テグレトールの効果がなかったということは、上顎の痛みの原因は三又神経痛ではない可能性が高いと言えます。

ストレスに心当りがありデパスが効く場合は心因性の痛みが考えられますが、他の問題も合併している可能性があります。

このような痛みには波があり、痛みがなくなっても再び痛み出すことが特徴です。従って、薬の服用方法にも工夫が必要ですが、ある程度の変動はあるものです。

【相談者】2013年4月15日  女性b

質問3

お返事ありがとうございました。もうひとつお聞きしたいのが、痛みがひどくならないようなら今の薬を続けて様子をみていいということでしょうか。

痛みだした時はかなり激痛でして、今は落ち着いているのでやはり心因性の可能性が高万が一痛みがひどくなったりしたら他の検査も必要ということでいいのでしょうか。

【回答3】口腔外科総合研究所 樋口均也

痛みが落ち着いているようなら、今の治療を継続してもいいかもしれません。ただし、何らかの問題が潜んでいる可能性があるため、何か心当たりがあれば追加の検査を行った上、別の診療科へ紹介してもらうという流れになるでしょう。

痛みがひどくなれば、当然のことながら新たな検査や治療法の変更が必要になりますが、変動しながらも自然に治るようであれば、現在の治療を継続するという選択もあると思います。

【相談者】2013年4月16日  女性b

質問4

何度も失礼します。痛みが落ちついていたとおもったのですが、今日痛みが少し増しました。頓服でコンスタンをもらいましたが、眠気がすごかっただけです。歯科から心療内科にまわされ近々行こうと思いますが、他に効果がある薬はあるのでしょうか。

【回答4】口腔外科総合研究所 樋口均也

虫歯や歯周病にかかると歯髄や歯周組織に細菌感染が起こり、炎症が生じて痛みますが、これらの痛みに対しては消炎鎮痛剤が有効です。

一方、抗生物質は細菌感染を抑えることにより痛みを軽減させるため、感染のない歯痛では効果がありません。た、筋・筋膜痛の場合は消炎鎮痛剤や中枢性筋弛緩剤が効き、細菌感染などの炎症がない慢性疼痛に対しては鎮痛補助薬や麻薬性鎮痛剤、抗不安薬(デパスなど)、アセトアミノフェン、アコニン酸、漢方薬が用いられます。

鎮痛補助薬の中には抗うつ薬、抗けいれん薬、抗不整脈薬、NMDA受容体拮抗薬、ステロイドなどがありますが、三環系抗うつ薬が慢性疼痛に対して有効であるケースが多いため、よく使用されています。