口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

上下顎骨切り術後の痺れと痛み

年齢 性別 相談日
50代 女性 2012年2月20日

【相談者】2012年2月20日  女性 H

質問

宜しくお願いいたします。私は、H22年に上下の顎切り手術 その後左顎の痺れと上顎の痺れあり。3か月後左顎の化膿と腫れがあったので、6カ月待ち左の一枚のプレートを除去。そのプレートの一つのネジが歯の欠片とともに外れていました。その後も症状は変わりなく。H23年8月に残りのプレートを全身麻酔で取りました。

痺れが軽減することもなく髪の毛1本触っただけでも痺れます。夕方になれば、歯を噛みあわせて、刺激する性か、食べる事、しゃべる事も大変です。痺れている歯茎を押すと痛みもあります。今は月ー2回程大学病院に行って麻酔の注射をしてもらい、数時間楽にしてもらっています。

何十年も軽減する事を願いながら待つしかないのでしょうか。いっそ感覚神経を切ってしまおうかとも思っています。宜しくお願いいたします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

受け口や下顎面の左右非対称など、骨格的な歪みの治療として上下顎の骨を切って移動させる骨切り術を受けられたのでしょうね。そしてその際、太い神経が傷ついてしまったため術後に知覚麻痺が生じたと推測します。

神経障害性疼痛は神経が傷つくと時々生じる痛みであり、痺れと同時に痛むという特徴があります。しかも、通常は痛みなど感じないはずの「髪の毛一本触っただけ」程度で症状が出現する、いわゆるアロデイニアの状態にあると考えられます。ただし、これらは神経障害性疼痛によくみられる症状です。

このような痛みに対する治療法のひとつが、「星状神経節ブロック」という頸椎付近への注射です。このブロック注射によって首から上の血行を良くして、痛みを和らげる効果があります。その他抗てんかん薬や抗うつ薬、漢方薬の内服や局所麻酔薬の使用も有効です。

また、切断によって新たな神経障害性疼痛が発生する可能性があるため、知覚神経を根元の方(中枢側)で切断することはお勧めできません。"