口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

粘表皮癌に対する代替療法

年齢 性別 相談日
50代 女性 2012年2月28日

【相談者】2012年2月28日  女性

質問1

粘膜表皮癌になり3回の手術を受けました。1998年が最初でそれから2006年、2011年です。今回は高悪性度のもので左頬の一部と下顎骨筋突起の3分の2を切除。一応全摘できましたがまた出来るのではと不安で一杯です。代替療法のお勧めがありますか?

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

左側耳下腺に粘表皮癌が生じ、耳下腺を含めた切除後も2度再発し、切除範囲が拡がっていったのでしょう。粘表皮癌は比較的悪性度が低くおとなしい癌ですが、悪性度の高い一部分が周辺に潜んでいたために再発したのでしょう。二度の再発で性質が変化し、再発や転移の恐れが高まっている状況であると推測します。

再発や転移を防ぐために放射線照射や抗癌剤を用いた化学療法を併用する場合がありますが、これらの治療は免疫力を低下させ、かえって再発や転移を生じやすくする懸念も持たれます。一方、免疫力を高めるための代替療法は幾つもありますが、その基本は不規則な生活を改めて抵抗力を高めることです。つまり、規則正しい生活(早寝早起き)を行いながら暴飲暴食を避け、玄米菜食を意識的に取り入れることなどをいいます。また、原則としてタバコは厳禁、飲食量は控えめにし、適度な運動を心がけましょう。

その他、免疫療法や運動療法、食事療法、温熱療法、漢方薬、鍼や灸、民間薬などの代替療法があります。私は大学院時代にピシバニールという薬を用いた免疫療法を研究し、患者さんに投与していましたし、温熱療法やキラー細胞を点滴する免疫療法を研究している同僚もいました。漢方薬では紅豆杉や雪南白薬、田七人参などが癌に対して用いられるケースがあります。

このように代替療法は多種多様にありますが、効果が科学的に証明されているものはほとんどありません。中にはかえって寿命を短くする危険性が潜むものもあるので、どの方法を試してみるかについては担当の先生とよく相談されることをお勧めします。

【相談者】2012年6月2日  女性

質問2

粘表皮癌で先日相談した者です。回答ありがとうございます。再発と転移が強まる細胞に変異したものとの事何か対策を考えたいです。でもし又できてしまったら治療法として重粒子線治療や陽子線治療が可能かどうか教えて下さい。顔面にメスを入れたくないので。再発でも大丈夫ですか?

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

再発や転移により手術で癌を取り除くことが難しい場合は、抗癌剤による化学療法や放射線治療が残された方法となります。放射線治療の効果が十分でない場合は、最後の手段として重粒子線治療や陽子線治療がありますが、残念ながら重粒子線治療を受けられる治療施設はほとんどありません。