口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

上前歯の歯茎に口内炎の様な出来物が出来ています

年齢 性別 相談日
20代 男性s 2013年7月18日

【相談者】2013年7月18日  女性s

質問1

歯科恐怖症で何年間かぶりに受診しました。上前歯の歯茎に口内炎の様な出来物が出来て、治っては出来てを繰り返してて、悩んだ末受診しました。

レントゲンを撮ると、歯根の真ん中部分が黒く丸くなっていて、歯根が溶けて膿が溜まっていると説明を受けました。電流を流して調べると、神経が死んでいることもわかり、歯根のうしゅ?のようです。が、位置が珍しいと言われ、大学病院の先生と相談して治療方針を決めますと言われました。

そして、次回は普通の歯根のうしゅ同様の、歯の裏に穴を開けて中を綺麗にする処置をします。と言われました。

子供の時のトラウマで歯科がすごく怖くて、意を決して受診したのに、色々言われて、正直怖くてたまりません。可能性として、差し歯にするか、今の歯を出来るだけ使うか、と言われ、どちらにせよ処置が怖いです。

どんな処置をする可能性があるのか、痛みはどの程度なのか教えていただけませんか?そんなに珍しい症状なのでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

歯の根の中で細菌の感染が進むと、神経が死んで根の先に膿が溜まり、周囲の歯や骨が溶けてくる場合があります。通常レントゲンで黒くなるのは歯根の先端部分なので、位置が珍しいといわれたのでしょう。歯根は骨の中に埋まっていますが、膿が溜まると出口を求めて歯茎付近まで出てくるため、口内炎のような出来物になります。

処置の内容は説明を受けられた通り、まずは感染した神経を取って根の中をきれいにします。そのためには神経が走行する部分まで穴をあける必要がありますが、前歯の表に穴をあけると見た目がよくないので、歯の裏側から穴をあけます。

根の中の神経はおそらく死んでいると予想され、そうでない場合には麻酔をして治療するため、痛みはほとんどないでしょう。ただし、根の先の神経は生きているため、器具がここへ到達したときにチクッと痛みが走ることがあります。また、神経を治療した歯は数日間痛みが出るかもしれません。

これらの処置で治らない場合には外科的な治療を行い、根の中だけでなく根の周りに進展した感染を取り除きます。

以上が一般的な説明となりますが、処置の内容や痛みの程度については、実際の歯の状況やレントゲンなどを見ている担当の先生に尋ねられるとよいでしょう。

今回頂いたメールを拝見していると、大変詳しく丁寧な説明を受けられているという印象を受けますので、疑問や不安は質問により解消されると思います。同様に、歯科恐怖症についてもじっくりと相談されることをお勧めします。

【相談者】2013年7月26日  女性s

質問2

お返事ありがとうございます!2回目の歯科に行ってきました。前回は聞きもらしていたみたいですが、病名?症状?は、内部吸収と言われました。

今の時点では、内部吸収が歯根のはばギリギリまで広がってて、中の掃除をすると、痛みが出る可能性、掃除のときに、そのギリギリ繋がっている部分が割れてしまう可能性があり、割れると抜歯になるといわれて、掃除をしたからといって内部吸収は治ることもないと言われてしまいました。

掃除をしなくても、いつ痛みが出てもおかしくないと。たまたま今は痛みがないだけで。先生は、中の治療をしていくほうがいいといわれていたのですが、このままの経過観察か治療か、決めてきてくださいと言われて..正直、決められません(;o;) この治療には技術は要りますか? ちなみに、内部吸収の治療は20例ほどある先生みたいです

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

まず歯の内部吸収の治療には、歯科の技術が必要です。

担当の先生の技量については分かりませんが、内部吸収は数が比較的少ないので、20例ほど経験されていたら多い方でしょう。もちろん、経験と技術は必ずしも比例するわけではありません。

経過観察か治療かの選択については、担当の先生の意向に従うことをお勧めします。このまま放置すると悪化し、いつかは痛みが出る可能性が高いと思われます。特にストレスや病気などで身体が弱っていると悪くなりやすく、ひどい場合にはその歯だけでなく周りの歯や骨にまで悪影響を及ぼすこともあります。

ただし、治療したら必ず治るとは限りません。歯の中の状態はレントゲンだけでは完全に把握できず、治療開始後詳しく調べるとやはり残せない状態で、抜歯した方がよいケースもあるからです。そうなると、現状では痛みも何もないのに治療をしたから抜かなければならなくなった、という印象になってしまうため、治らない可能性や抜歯の可能性について理解した上で治療を受けていただく必要があります。

それが無理な場合は、将来的に今よりも状態が悪くなることを覚悟の上で経過観察することになります。因みに抜歯になるかどうかは、その歯の状態によることが多く、先生の治療技術はあまり関係ありません。

従って、判断をゆだねられても決めかねる、というお気持ちはよく分かりますが、ご自身で判断して頂くのがよいでしょう。歯科医が強引に治療を決定するのではなく、患者さんご自身の考えや生活状況が優先されるべきです。

よい先生に巡り合われたと思いますので、信頼して共に治療について考えられるようになれば、よい治療ができるだけでなく、歯科恐怖症も徐々に克服できるのではないでしょうか。