口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

一か月に3回も同じ部位に粘液嚢胞が出現した

年齢 性別 相談日
女性 2014年7月25日

【相談者】2014年7月25日  Y

今年6月に口の中にできものができ、歯医者さんに行ったところ口唇粘液嚢胞と診断されました。局所麻酔をかけて切除手術をしてもらい、抜糸をした翌日からもともと嚢胞があったところのすぐ隣に再発しました。そして、また局所麻酔をかけて切除手術をしてもらい、抜糸をして3日ほど経ったのですが、縫ってあったところの一番下あたりに粘液嚢胞らしきものができていて、現在(抜糸から6日目)鏡を見たら嚢胞が大きくなっていました。

2度目の手術が終わったときに『今回は深めにとった』と言われていたし、3度目なので、とてもショックです。2度目の手術が終わってから、1回目のときよりも痺れる感覚が長引いたりしていたので、3回目となるととても怖くて、気が引けてしまいます。

これは、また手術を受けるべきなのでしょうか。粘液嚢胞は再発の可能性が高いということは知っていましたが、約1ヶ月の間に3回嚢胞ができるともなるとなにをしても治らないのかな、とか放っておいてもいいかな、と思ってしまいます。

地域には大学病院がありますが、そこの歯科医師と諸事情により仲が良くないので大学病院には行きたくありません。わたしはどうしたら良いのでしょうか。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

粘液嚢胞は口唇の粘膜下にある口唇線という唾液腺が傷つき、傷ついた口唇線から唾液が周囲に漏れ出して風船のように膨らんだものです。

口唇腺が傷つく理由として多く見られるのは、誤って噛んでしまったり、唇を噛む癖があったり、夜間に歯ぎしりをして口唇を噛むようなケースです。これらの行為を続けていると、一度摘出した付近に新たなのう胞が生じる場合がありますが、再発ではありません。

一か月に3回も同じ部位に粘液嚢胞が出現したことから、前述したような状況とは別の問題があるのでしょう。原因を究明することなく粘液嚢胞を摘出しても、すぐに再発してしまうのです。

また唾液の漏出による再発を防ぐため、粘液嚢胞を摘出する際には傷ついた口唇線を同時に摘出する必要がありますが、2回再発したということは傷ついた口唇線を摘出できていない可能性があります。担当医の技術の問題かもしれないので、一度他院を受診されることをお勧めします。