口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

顎骨嚢胞開窓術後の治りが心配です

年齢 性別 相談日
40代 女性 2018年2月20日

【相談者】2018年2月20日 C

質問

顎骨嚢胞開窓術で右下奥歯を二週間前に手術しまだ 右頬と顎の辺りが少し腫れがあり、開口悪く、口腔内は歯茎がはれその上にガーゼが溢れ出てきていて都度入れ込んで気持ち悪い状態でとにかく臭くて膿の味?血?かわかりませんが違和感でしっかり眠れずだいぶストレスになってきました。きちんとブラッシングや軽いうがい等で衛生面は気をつけているのですが‥

口腔外科の先生にこの状態はどの位具体的に続くのか?これで完治していくのか?また手術をしないといけないか?不安なので尋ねても、私としては分かりやすく、ある程度の期間とガーゼの交換時期

気持ちが悪いのは我慢しかないのか、現在の経過等説明して欲しいのですが忙しいのかわかりませんが「後少し」しか言ってくれません。先々不安でたまりません この二週間で二回ガーゼ交換してもらいましたが、状態説明は質問しましたがなくわかりません。そこで、先生のご意見をいただきたく質問させていただきました。宜しくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

顎骨嚢胞開窓術は嚢胞が大きく、下顎骨の中を走行する下歯槽神経に接している場合に選択される手術法です。嚢胞を全て摘出すると神経が傷つき麻痺が生じる可能性があるため、嚢胞を全摘することなく表面部分の嚢胞壁のみを切り取り、残った嚢胞壁を周囲の口腔粘膜と縫合し、骨に穴が開いた状態にします。

嚢胞は内部に液体が貯まり、その水圧により周囲の骨を溶かして大きくなるため、嚢胞に穴を開ければ内部に液体が貯まらず、圧が抜けて徐々に小さくなります。そして最終的には空洞がなくなり、正常な骨で埋まって治ります。

小さくなった嚢胞が骨の中に残存する場合はその時点で嚢胞摘出術が必要となりますが、既に嚢胞が小さくなっているため、神経が麻痺する可能性はないといえるでしょう。

開窓術により生じた空洞には、抗生物質が入った軟膏を塗ったガーゼの塊を詰めておきます。ガーゼの不足で外れたり一部が出てきた状態であれば、詰めるガーゼの量を増やしてもらいましょう。

また、細菌感染により化膿している場合は臭いが発生するため、感染していないかどうかを調べてもらい、必要であれば治療を受けましょう。ただし、化膿していなくても多少は傷の臭いが生じるものです。術後2週間ということですが、日が経てば徐々に臭いはなくなっていきます。詰めているガーゼにも浸出液や血液、食物などの臭いが付着して臭うでしょうが、頻発に交換してもらえばある程度は防ぐことができます。

ガーゼではなく、シリコンなどで空洞にふたをすれば臭いは軽減できます。別の材料が使えるかどうか相談されることをお勧めします。

空洞がなくなる時期は大きさによって異なりますが、一般的には数か月かかるとされていいます。一か月ほどで塞がる場合もあるので、当面は我慢して待っていただくしかありません。