口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

左術後性上顎洞嚢胞の開放手術後の歯の痛み

年齢 性別 相談日
40代 男性 2017年7月18日

【相談者】2017年7月18日 A

質問

今月3日に左術後性上顎洞嚢胞の開放手術を内視鏡で受けました。12歳のときに蓄膿症の手術(左右)を受けており、これが原因とのことです。

20歳のときに歯痛(左奥歯付近上下)が起き、歯科を受診しても原因不明とのことでした(「術後性上顎洞嚢胞」を知ったのは、独学でここ数年のことです)。歯痛はほぼ毎年起きていたのですが、一時的なものだったため、最初の頃はバファリン、その後はロキソニン等を飲んで過ごしていました(効いていたかというと?ですが、我慢していればそのうち痛みが収まるので、そうゆうものだと思っていました)。

ここ数年は耳鼻科で点滴をしてもらっていました(こちらも効いていたかというと?です )。今年も5月中旬に歯痛が起き、例年になく痛いので総合病院に行き、CT/MRIを撮り、手術となりました。

現在術後2週間で歯痛は無いのですが、モノを噛むと歯にひびく?ようなかんじ(上のみ)と、1週間毎の診察の際に、開放した嚢胞への交通路を通して嚢胞内の掃除をするのですが、歯痛が起きます(2~3時間すると収まる)。

主治医にはその都度痛いと言うのですが、それと今回の手術は関係ないと言われ、鼻のほうが落ち着いたら歯科でCTでも撮ってみようとのことでした。手術前には口腔外科も受診し、パノラマのレントゲンだけでしたが、今回の痛みは歯由来ではないと判断されているのですが。

主治医については、元々の主治医が手術前に辞めており、現在の主治 医は手術以降担当になったので、そもそも歯痛があって受診していることすらよく知らないようです。個人的には、嚢胞が一時的な炎症等を起こし、それが歯の神経を圧迫し、結果歯痛となって現れていたのではないかと考えています。

現在の嚢胞内の掃除をする際も、吸引機?の先が嚢胞内底を押すことによって、歯の神経を一時的に圧迫し、歯痛となっているのではないかと考えています。

セカンドオピニオンではないですが、何か気になるところがあれば教えて頂きたいです。お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

術後性上顎洞嚢胞は、蓄膿症(副鼻腔炎)の術後10~20年で上顎洞に生じることがある嚢胞です。この嚢胞に細菌が感染すると痛みや腫れが起こるため、まるで歯が痛んでいるように感じることがあります。

口腔外科では、歯の問題が痛みの原因ではないと判断されたようですね。痛みが嚢胞への感染によって生じた場合は、歯の治療は必要ないでしょう。

手術を受けた耳鼻咽喉科の見解では、手術はうまく完了し、痛みの原因となる問題は取り除けたようですね。それにもかかわらず歯痛が生じているため、歯科で現状を診てもらうようにと説明されたのでしょう。

耳鼻咽喉科の先生の指示通り、一度歯科の診察を受け、結果として歯に問題がない確定すれば、上顎洞の回復を待つことになります。その間の痛みが辛い場合は、痛みを軽減するため薬物療法や心理療法を受けることをお勧めします。