口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

ゾメタの副作用(顎骨壊死)を避けるため抜歯

年齢 性別 相談日
50代 男性 2012年7月2日

【相談者】2012年7月2日  男性 T

質問

お世話になります。直腸がんのため抗癌剤(FOLFOX)で治療中ですが骨転移が見つかったためゾメタを追加使用することになりました。

ゾメタの副作用(顎骨壊死)を避けるため抜歯を行いますが、根の部分が少し痛んでいる歯も含め14本もの抜歯と聞き驚いています。ぐらつく歯の抜歯は覚悟をしていますが、自分の歯は極力残したい思いがあり歯科医と交渉したいのですが自信がありません。他の歯も抜かないと顎骨壊死は起こりうるものでしょうか?

また、現在抗癌剤治療中で体力もかなり落ちているなか14本も歯を抜いて大丈夫なものでしょうか?よろしくお願い申し上げます。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

ゾメタはガンが骨転移した際に使用される、ビスフォスフォネート系注射薬です。この薬は骨転移に伴う痛みや麻痺、骨折などを抑制する一方で、0.8~12%の確率で顎骨壊死が起こると報告されています。この顎骨壊死をBRONJといいます。

BRONJは重症虫歯や歯周病、根尖病変などが発生する可能性が高くなるといわれています。おそらく14本の歯にはその危険があり、抜く必要があると判断されたのでしょう。

個々の歯の状況がわからないため、14本全てを抜くべきか否かについて判断することはできません。闘病中で大変だとお察ししますが、可能であればセカンドオピニオンを求められることをお勧めします。