年齢 | 性別 | 相談日 |
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60代 | 女性 | 2012年5月19日 |
【相談者】2012年5月19日 女性 W
質問1
舌の違和感に悩まされています。過去に二度、真珠種の摘出手術を受けています。その時に、味覚の神経を傷つけて、自分から見て右側の舌の一部に味覚を感じない部分があります。そういう状態と長年付き合ってきたのですが、1年前ぐらいから、舌全体がピリピリしたり熱を持ったり、喋り難くなったり、就寝時に上あごが乾いて舌が張り付いたような感じで目が覚めたりします。
ドライマウス・口腔熱感症では、と自分で感じ、定期的に通う耳鼻科や、口腔外科で調べてもらうのですが、異常なしと言われます。本人に自覚症状がありながら、外から見た目に異常がない・・・ということで困り、漢方薬局でも、薬を出してもらいましたが、改善は見られません。肩の痛みもあり、接骨院にもかかっていますが、これも、効果が感じられません。何か、アドバイスいただけるとありがたいです。
【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也
真珠腫とは中耳炎を繰り返すことによって生じる腫瘍性の病変で、手術の際その付近を走行する鼓索神経を傷つけると、味覚の低下や消失を招く場合があります。鼓索神経は舌まで伸び、舌の知覚を司っているからです。
神経が傷ついて麻痺した後、再生する過程で神経の線維が混線(エファプス)すると、ピリピリ感や痛みが生じます。このような「不快な異常感覚」(英語でdysesthesia)は、「神経障害性疼痛」の一種です。
治療法としては三環系抗うつ薬や抗てんかん薬、抗不整脈薬、麻薬系鎮痛剤などが使用されます。通常これらの薬物を内服すると症状の消失や軽減がみられるものですが、中にはどのような治療を行っても症状が持続するケースもあります。
【相談者】2012年5月19日 女性 W
質問2
樋口均也先生、ご丁寧なお返事ありがとうございました。症状は、義母(95歳)の介護を施設にバトンタッチしたと同時に始まったような気がします。心身の疲弊が遠因かもしれません。
ご紹介いただいたお薬は、耳鼻科・口腔外科で処方されるのでしょうか。それとも内科か心療内科で相談するのが望ましいのでしょうか。お忙しいのに厚かましいとは存じますのが、お時間のできたときで結構です、もう一度お教えいただけないでしょうか。
【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也
耳鼻咽喉科、口腔外科、心療内科いずれの診療科であっても薬は出してもらえると思いますが、神経損傷による麻痺や痛みを専門的に診療するのはペインクリニック(麻酔科)です。
【相談者】2012年5月21日 女性 W
質問3
樋口均也様、たびたびのご回答、ありがとうございます。おかげさまで、続いていた不快症状に、解決の糸口が見えてまいりました。ペインクリニックを探してみます。心から感謝申し上げます。