口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

1週間前から急に左の頬が腫れています

年齢 性別 相談日
40代 女性 2012年1月18日

【相談者】2012年1月18日  女性 A

質問

1週間前から急に左の頬が腫れています。何の前触れもなく思い当たる事は、最近左上の歯と歯の間に食べ物が詰まるようになり食後に爪楊枝を使っていました。歯科で診察をうけ、少しだけ左上の歯茎が腫れているとの事で、ジスロマックを処方してもらい、一週間様子をみましたが、腫れはひかず変わりがないのです。

別の口腔外科で受診し、レントゲンと診察を受けましたが、特に歯に問題は無くMRIを撮り、今週20(金)に結果待ちです。自覚症状は、腫れと口を大きく開閉すると左の耳朶横あたりがガクガクと音がして、その辺りをわざとかなり強く押すと筋が痛むような痛みが少しありますが、通常は痛み無しです。左頬に、しこりというより肩こりのコリが固まったような感触があります。

一体、どのような原因・病気が考えられるでしょうか?一年半前に膠原病のSLEとAPSを発病ました。ステロイドは服用しておらず漢方服用中です。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

症状や経過から考えると、骨折などの外傷や異物の迷入、火傷、クインケ浮腫ではないようでうね。歯周病を疑って抗生物質のジスロマックが処方されたようですが、効果がみられないことから否定的ですね。

ところで、耳の前方の雑音は顎関節症によって生じていると思われます。顎を動かす筋肉も凝って痛んでいるようですが、顎関節症のために筋肉が凝ることはあっても腫れることはありません。従って、こちらも関係なさそうです。

そこで頬の腫れという点から、問題は頬の皮膚か皮下組織、頬骨、上顎洞のいずれかで生じていると推測します。これらの部分で皮膚の感染症、皮下の腫瘍やのう胞、骨膜炎、骨炎、上顎洞炎、術後性頬部のう胞、上顎ガンなどの問題が生じている可能性があります。

一方、全身性紅斑性狼瘡(SLE)や抗リン脂質抗体症候群(APS)は頬の腫れとは関係ないでしょう。ただし、漢方薬による副作用で丘疹ができている可能性はあります。

これら原因として考えられる候補の中で、上顎ガンの有無に関しては早期に確認する必要があるため、MRI検査を実施されたのでしょう。その結果から、今後の検査や治療について検討されると考えられます。