口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

オトガイ形成術

年齢 性別 相談日
女性 2010年2月1日

【相談者】2010年2月 1日 女性 YF

こんにちは。以前二度、顎の先端を切る手術をしているのですが、受け口も治していただけばよかったという後悔があるのです。そして、手術後の輪郭も必ずしも満足のいくものではないため、専門のお医者様のカウンセリングを受けられないかと思っているのですが、いかがでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

受け口で下顎の前方部すなわちオトガイ部が前に飛び出した顔貌で、オトガイ部の骨を削る、あるいは切って後方へ移動させる手術を受けられたのでしょうね。

このような問題に対しては通常、下顎骨を左右2か所で切断し前後の長さを短くしてつなぎ止める「下顎骨骨切り術」を行ない、受け口を正常な噛み合わせに治します。また、オトガイ部の骨や皮下組織の形を変える「オトガイ形成術」や上顎を前に出す「上顎骨骨切り術」を同時に行う場合もありますが、いずれも手術の前後2年程度は矯正治療が必要となります。

また、重度の受け口では前述のような治療を行なってはじめて、顔貌を正常化させることが可能となるため、おそらくその状態なのでしょう。ただし、その場合は再度精密検査を行なったうえで適切な治療計画を立てる必要があるため、これらの点を含めてよく相談されることをお勧めします。

【相談者】2010年2月2日 女性 YF

こんにちは。メールありがとうございます。その手術はおいくらくらいなのか教えてくださいますか。矯正はなぜ必要なのでしょうか。あの銀の装置をつけなくちゃいけないのですか?よろしくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

顎変形症の施設基準を満たす大学病院や総合病院などの口腔外科であれば、手術などの治療費は保険が適応されますが、矯正費用については別途必要となります。顎変形症に対する手術療法は上顎骨形成術、下顎骨形成術などの治療費がかかり、麻酔料や金属プレート代金、入院基本料などを含めて合算するとおよそ80~100万円の3割が自己負担金となります。

ただし、高額療養費支給制度による還付金を受けることができる場合は、最終的な費用がおよそ8~16万円となるのが通常ですが、条件によっても変わります。

次に矯正の必要性についてですが、手術により下顎を後方にずらすと歯がかみ合わなくなるため、歯並びを整えてきちんと噛めるようにする必要があります。従って、通常は矯正治療を併せて受けていただくことになります。

矯正治療は、前歯や小臼歯に付ける四角いボタン状のブラケットや大臼歯につける帯状のバンド、そしてこれらをつなぎとめるワイヤーを歯に取り付けることになります。その中で一番目立つのはブラケットですが、金属性以外でも白いセラミック製や半透明のものもあります。

【相談者】2010年2月3日 女性 YF

返信ありがとうございます。矯正は、歯の裏に装置をつけられますか?

美容外科のカウンセリングでは、必要ないという先生や、いろんな手術のことをおっしゃるかたにお会いしたのですが、わたしとしては、美容の観点からだけで治したいのではなく、噛み合わせを正常にもどしたいのがひとつと、手術のあと、切った顎の部分にのみお肉がついたようになっているのがきになっているのです。感覚も鈍くなっています・・また、切った部分とそうでない部分のがなめらかでなく、差ができてしまっています。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

矯正装置を裏側に取り付けることはできますが、手術の前後は一時的に表側に付け替える必要があります。

また、手術後はしびれや変形などの不快症状が多かれ少なかれ必ず生じるもので、次回の手術後も同様の問題が起こるはずです。従って、手術による見た目や噛む機能の改善と手術に付随する不快症状や種々の手間、リスクのいずれを優先するかをよく考えて判断する必要があります。

【相談者】2010年2月3日 女性 YF

返信ありがとうございます。手術のまえに矯正すると、手術直前にはどのような状態になるのですか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

受け口の矯正治療では通常、上顎の前歯を前方に出し下顎の前歯を後方に下げますが、手術と組み合わせる外科矯正の場合は逆で、下顎前歯を前方に出す場合がほとんどです。その方法によって手術前に受け口が強くなり、手術で顎を移動させた後に上下顎がうまく噛み合うようになります。