口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

骨髄炎と発熱

年齢 性別 相談日
30代 男性 2009年11月8日

【相談者】2009年11月8日 30代 男性 

11月2日に近くの一般歯科で右下5番の神経を抜く治療を行い、そのしばらく後に悪寒を感じ、同日夜に40度の高熱が出ました。その後、神経を抜いたはずなのに異常に歯が疼き、11月6日に間違いなく骨髄炎になっていると先生より言われました。「抗生剤を飲んだら1週間くらいで治る」と曖昧な説明しか受けませんでしたが、自身で骨髄炎を調べてみると、そんな簡単な病気ではないように思い不安になりました。

このような骨髄炎の初期状態の場合には、その原因を追究したりなどの検査を行って、治療方法を決めるような進め方に通常なるかと思いますが、貴院ではこのケースではどのような検査を行い、どのような治療の可能性があるでしょうか?

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

高熱が出た理由はいくつか考えられます。

1.虫歯の原因菌が歯の根の先から顎骨の中へと進行し、急性骨髄炎を起こしている。

この場合は原因となっている歯を抜く、あるいは虫歯の治療(歯内療法)を行うと同時に抗生物質の内服か点滴を行うことにより、ほとんどの場合は治癒します。ただし、中には骨髄炎が慢性化して持続してしまうケースも見られます。

2.以前から慢性骨髄炎に罹患しており、虫歯の進行によって急性発作が生じた。

この場合は骨髄炎の範囲や程度をよく診査し、手術や薬物療法の是非を慎重に検討する必要があります。また、右下5番は抜歯する必要性が高くなるでしょう。

3.虫歯の原因菌が血管に入り、菌血症を起こしたために高熱が出た。

熱が下がっているなら特に対処の必要はなく、虫歯の治療を維持すればOKですが、体力が落ちている場合は安静と睡眠、栄養摂取を心がけましょう。また、熱が続く場合は血液検査などを行い、詳しく調べる必要があるでしょう。

4.虫歯とは関係がなく、持病や風邪などにより高熱が出た。

高熱の原因となった病気を治すことが第一です。

上記以外の可能性もゼロではありませんが、実際に診療していないのでこれ以上のことはわかりません。ただ、不安を感じられるのは当然だと思います。従って、もう一度詳しく担当の先生に説明していただくか、他の医療機関を受診することをお勧めします。