口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

耳下腺炎と口内の腫れもの

年齢 性別 相談日
40代 女性 2009年10月25日

【相談者】2009年10月25日 40代 女性 M  

はじめてご相談致します。口の中の頬の裏あたりに小豆大の腫れ物ができております。しみる感じはないのですが、腫れたジンジンとした痛さが少しあります。

今年始めあたりから、反復性の耳下腺炎にかかり、1~2,3ヶ月の周期で耳の下(顎の付け根)あたりが大きく腫れて抗生物質を飲んで治療するということを繰り返しています。3日ほど前からまた耳下腺炎にかかり耳鼻科に行き、抗生物質と整腸剤を出していただき飲んでおります。この翌日(2日前)あたりから頬の裏側にも腫れ物ができ、上に記したような症状です。現在は耳下腺炎と口内の腫れ物がどちらも緩くジンジンと痛む感じです。

これは、耳下腺炎と関係しているのでしょうか? それとも、別に口腔外科などに行った方がよいのでしょうか?(関係あるか解りませんが、最近、頬の裏を噛んでしまったということはありません。また、口の中は義歯などをいくつも入れており、舌の上も白くなりがちです。花粉症のアレルギーもあります。ご回答いただけると助かります。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

耳下腺炎の原因には様々なものがありますが、抗生物質の治療によって軽快するということから、細菌感染が中心となって炎症が起こっているのでしょう。細菌がどこから入って感染したかも状況によって異なりますが、最も頻度の高いケースは唾液が通る管(耳下腺の導管)を通って口の中から感染することです。耳下腺で作られた唾液は導管を通り、頬粘膜にある小さな膨らみ(耳下腺乳頭)から出てきますが、この部分の細菌感染が悪化して小豆大に腫れているのでしょう。

唾液が正常に流れていれば耳下腺乳頭や導管、耳下腺自身にも細菌が侵入することは通常ありません。ところが、現在耳下腺炎が起こっているために唾液の流れが悪くなって細菌感染が持続しやすく、悪化しやすい状態に陥っていると考えられます。

また、耳下腺炎が生じるきっかけとしてドライマウスの状態があり、現在も続いているのではないかと推測します。あるいは義歯のためによくかめず、唾液の出が悪くなっているのかもしれませんし、薬の副作用やストレスが関与している可能性もあります。

いずれにせよ、ドライマウスの診療を行っている口腔外科や歯科、耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めします。

【相談者】2009年10月26日 40代 女性 M  

早速のご返答ありがとうございました。耳下腺炎に初めてかかった時もどの科にかかればよいのか解らず、あちらこちら電話をして大変困りました。場所的にも遠いため、お答えいただけるものか心配でしたが、本当にありがとうございました。大変助かりました。