年齢 | 性別 | 相談日 |
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20代 | 女性 | 2008年9月21日 |
【相談者】2008年9月21日 20代 女性 HK
はじめまして、お世話になります。6月に左下7番が虫歯と診断され、神経をぬきましたが現在もズキズキとした痛みが続いています。痛い時は耳の後ろ、左顎も痛みが広がり痛み止めを飲んでいます。歯科では根の炎症がひどいうえ、以前から言われていた顎関節症も重なり痛みが倍増しているとのこと。
現在は根に薬を注入し1週間おきに交換しており、顎関節症については特に治療していません。この虫歯治療のために1月に左下の親知らずを大学病院でぬいたのですがそれも何か関係があるのでしょうか?(歯茎の下に横向きで生えていたので抜歯はかなり大変でした。)
このまま痛みが続くようだと抜歯して再殖、それがだめなら移殖、最終的にインプラントと言われました。抜歯すれば痛みがなくなるのかという不安もあります。
根の治療を続行、または抜歯以外に何か治療方法はないものでしょうか?もし他の病気の疑いもあるのなら他診療科を受診するべきでしょうか?ご意見お聞かせください。よろしくお願いいたします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
6月に虫歯と診断されるまで、痛みはなかったのでしょうか?それともズキズキと痛んでいたのでしょうか?もし痛みがなかったとすれば、虫歯の治療によって誘発された歯の痛みであると考えられます。虫歯が進行して神経の走行する部分まで侵されていたため、神経を抜いたのだと思われます。
神経を抜いて虫歯を治す治療を「歯内療法」といい、大臼歯では難しいケースが多く見られます。従って歯の根が湾曲している、あるいは神経が複雑に枝分かれしている場合は、どんなに治療を続けたとしても痛みが消失しないケースもあるため、抜歯せざるを得ないのかもしれません。
ただし、左下7番は前後2根に分かれた構造であるため、問題のある根のみを抜き、残りの1根を残すことは可能かもしれません。他に再植や移植、インプラントなどの方法もありますが、7番1本がなくても食事には不自由しないため、抜いたままにしておくのが第一の選択肢となります。
しかしながら、6月の治療開始前からズキズキと歯が痛んでいたとすれば、話は変わります。その場合、虫歯が進行して痛んだ可能性もありますが、痛みの原因が虫歯ではなかったのかもしれません。つまり、親知らず周辺の歯肉が炎症を起こしたケースや、くいしばりによる筋膜痛も考えられます。また、精神的な問題が痛みを起こす場合(身体表現性障害)もあるのです。
仮に筋膜痛や身体表現性障害であった場合は、歯の治療や抜歯を行ったとしても痛みはなくなりません。それぞれに診査法や治療法があるため、口腔外科で診察を受けられることをお勧めします。
【相談者】2008年9月24日 20代 女性 HK
お返事ありがとうございました。6月に虫歯の治療をするまで、その歯に痛みはありませんでした。ということは、やはり虫歯が原因と考える方になりますよね。神経を抜いて数日後からズキズキ痛くなり、次第に前歯のあたりまでその痛みが広がってきました。それから左耳周辺にも痛みがでて頭痛がひどくなりました。
左下の親知らずを抜歯するときに7番が虫歯になっていることがわかってたんですが抜歯の傷口がふさがるまで放置したから悪化してしまったんでしょうね…
実は、今回の痛みがでてから最初にかかっていた歯科では顎の神経の麻痺があるのかもしれないと診断されました。親知らずを抜いてから左の顎の辺に痛みやピリピリした感覚がでたり違和感を訴えていたのでそう言われたのです。
神経を抜いても痛みがでるなら親知らずを抜いた大学病院でみてもらうようにと治療を打ち切られたのです(今は違う歯科で治療していただいてますが)。なので、色々不安があり相談させていただきました。ありがとうございました。
ちなみに、顎関節症ついてですが、顎関節症は根本的に治療法はないといわれました。マウスピースを作るというのは本当に食べ物も食べられないくらい痛みがある場合などよっぽどの人しか行わない治療なのですか?今は顎関節症の痛みなのか歯の痛みがよくわからない日々が続いているので治療する基準はどう決まっているのか教えて下さい。
ちなみに私は食べられないほど口が開かないわけではありませんが口をあけるのは3cmが限界くらいです。口を大きくあけると耳のあたりに痛み、少し右にカクッと音がしてずれる感じです。よろしくお願いいたします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
親知らずを抜いた後のピリピリ感や違和感は、抜歯後によく起こる症状ですが、その症状は徐々に軽くなってきているのでしょうね。おそらく、今ある痛みとは関係がないと思います。
従って、痛みの原因はやはり神経を抜いた左下7番にあると思われます。別の歯科にかかっても、完治は難しいことが予想されます。
顎関節症の治療では、痛みが軽度の場合でもマウスピース(オクルーザル・スプリント)を製作し、使用していただくことはよくあることです。
口を大きく開けたとき、カクッという音がする状態を「クリッキング」といいます。音がするだけなら、口を開け閉めする方法を練習する程度で、特に治療せず過ごしていただくケースが一般的です。ただし、今回のように歯の痛み以外に顎関節症による痛みも疑われる場合は、オクルーザル・スプリントの使用によって改善する可能性はあると思います。