年齢 | 性別 | 相談日 |
---|---|---|
70代 |
女性 |
2014年3月4日 |
質問1
1月上旬から2カ月間、硬口蓋の強い痛みが続いております。前歯中央の裏側、およびその左後方のデコボコ感が大きくなり、やや腫れたような感じで痛みが出ました。現在は、痛む場所が拡大し(硬口蓋前方部)、毎日痛くてたまりません。食事時は比較的痛みが無かったのですが、現在は、酸っぱいもの、熱めのものなどで痛みが強まります。痛みは、ヒリヒリとしたものです。(カンジタ菌によるものではありません)
私はシェーグレン症候群でドライマウスがあり、それが影響していると思います。ドライマウス用のうがい薬や塗り薬でも痛みが増します。とにかく、痛みが無くなるような対応が無いでしょうか。よろしくお願い致します。
回答
痛みは大きく3つに分類することができます。ひとつ目は粘膜が傷ついたり、口内炎などにより粘膜に異常が発生することによる最も一般的な痛みで、「侵害受容性疼痛」といいます。二つ目は外傷などで神経が傷ついたり、神経自体の異常によって生じる三叉神経痛の痛みなどで、これを「神経障害性疼痛」といいます。そして三つ目は、粘膜にも神経にも異常が見られない「心因性疼痛」ということになります。
今回は外傷による神経損傷や三叉神経痛のような発作的な痛みではないことから、神経障害性疼痛ではなさそうですね。食事がしみて痛むことから、粘膜の異常による侵害受容性疼痛の可能性が高いといえそうです。
粘膜の異常には口内炎、扁平苔癬、カンジダ症、ドライマウス、亜鉛欠乏症などがありますが、切歯乳頭から口蓋皺襞にかけてこのような粘膜の異常が生じていると推察します。
原因を究明した上で根本的な治療を行うのがベストですが、原因がわからない場合や判明していても取り除けないケースもあります。そのような場合は軟膏やうがい薬、鎮痛剤の内服などにより痛みを緩和する対症療法を行います。また、口蓋保護床というマウスピースのような装置を作り、食事中に使用する方法もあります。