口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

抗鬱薬以外で非定型歯痛を治す薬はありますか

年齢 性別 相談日
40代

女性

2017年3月29日

質問1

感染根幹治療を繰り返した歯に痛みがあり、CTを撮ってもらったところ非定型歯痛と診断され、抗鬱薬のパキシルとジェイゾロフトをそれぞれ試しましたが、副作用で全く飲めず、抗鬱薬を飲むのが怖いです。抗鬱薬以外で非定型歯痛を治す薬はありますか?

最近では、歯が痛むので本当は歯が悪いのでは?と思ってしまいます。CTでみていただいたのでやはり非定型歯痛なのでしょうか?痛くて困っています。お返事よろしくお願いします。

回答

歯の痛みには、歯自体に原因がある場合とそうでない場合があります。CTを含め詳しく調べられたようですが、問題が全く見当たらない場合は非定型歯痛という診断になります。

ただし、この診断が必ずしも正しいとは限りません。検査をして異常が見当たらなくても、後で問題が発覚する可能性もあるからです。歯の保存を諦めて抜歯すると、抜いた歯にヒビ割れなど痛みの原因となる問題が見つかることもありますが、歯を抜くことが正解とは限りません。非定型歯痛である場合は歯を抜いても痛みは消失せず、さらに痛みが強くなる場合もあるからです。

非定型歯痛の治療には抗うつ薬が有効です。SSRIの一種であるパキシルも鎮痛効果がありますが、三環系抗うつ薬やSNRIの方がより効果的とされています。また、抗けいれん薬や麻薬系鎮痛薬、アセトアミノフェン、漢方薬も非定型歯痛に対して用いられています。

質問2

先日、非定型歯痛の件で早速お返事いただきありがとうございます。非定型歯痛で抗鬱薬を飲む場合、どれ位の期間、飲む事になりますか?また症状が良くなり薬をやめる時に離脱症状が起きるとネットでみて怖くなりました。先生のご指導通りに服用すれば心配ないでしょうか?

また三環系より副作用が少ないといわれるサインバルタやトレドミンでも効果がありますか?また漢方薬はどうでしょうか。お返事よろしくお願いします。

回答

抗うつ薬は少量から始めて徐々に増量し、十分な効果が得られた時点でその量をキープします。抗うつ薬の内服により痛みが治ったとしても、服用を中止すれば痛みが再発するため、継続することが肝心です。

痛みの消失から一定期間内服を続けると、内服を中止しても痛みは再発しにくくなります。一定期間とは6ヶ月から1年間とされています。6ヶ月後に中止してみて痛みが再発しなければ治療終了となり、再発する場合はさらに6ヶ月間内服を続けます。

抗うつ薬の内服を急に中断すると吐き気やめまいなどの離脱症状が生じやすいため、計画的に減量することにより離脱症状が生じないようにします。

三環系抗うつ薬は慢性疼痛に対して効果的ですが、眠気や便秘などの副作用が出やすいという一面もあります。一方、サインバルタなどのSNRIは効き目が劣るものの副作用も少ないため、痛みがそれほど強くない場合はSNRIを使用します。

また、漢方薬は痛みを抑える働きとともに、抗うつ薬の副作用を和らげる効果もあります。なお、当クリニックでは漢方薬や抗うつ薬を処方しています。