口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

顎変形症の手術後のしびれ

年齢 性別 相談日

30代

女性

2019年11月17日

質問1

先月10月23日に口腔外科において顎変形症の手術を行いました。開咬及び下顎後退という診断で、下顎枝矢状分割術、Le Fort Ⅰ型骨切り術で上下顎の手術をしました。およそ9時間にも及ぶ大手術でしたが、出血量も少なく無事に手術は終わったとのことでした。

しかし術後の合併症で左の眼の下から頬、鼻、上唇そして下唇からオトガイは左右全てにしびれが発生しました。知覚検査で感覚はあるため神経は断裂しておらず、あとは時間の経過とともにしびれも治っていくとのことで、メチコバールを処方され現在飲んでいます。1カ月も経てばほぼ治るだろうという診断を受けて治るのを待っていますが、現在術後25日経ってもしびれは治っていません。当初から変化もあまりないです。

毎食ご飯を食べるのも、飲み物を飲むのも困難で話すのも上手く話せない状況で復職するのもしんどい状況であると医師に伝えたものの、仕事に行って差し支えないこれ以上診断書には仕事を休んでよいとは書くことは出来ないと言われ、最後には精神的におかしくなっているからそんなに仕事を休みたかったら精神科を受診して診断書を書いてもらえばとまで言われてしまいました。

仕方ないので有休を使って現在休んでいますが、あとわずかで有給も使い果たしてしまい、仕事に戻らなければ仕事を失ってしまうところまで来ています。生活に支障をきたすしびれを抱えていても、仕事を休むことは不可能なのでしょうか。精神的にはおかしくなっていないので精神科にはかかりたくないです。

神経の修復には根本的な治療はないと聞いています。また副作用があるような治療もこれ以上体がおかしくなるのではという思いがあり、怖くて受けたくないです。時間の経過を待つだけでセカンドオピニオンは受けなくてもいいのでしょうか?またセカンドオピニオンを受けるとしたら、どのような病院を選べば良いでしょうか?

長文、乱文ですみません。毎日不安な日々で、大変悩んでいます。よろしくお願いします。

【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也

開咬および下顎後退に対して上下顎骨切り術を受けられたのですね。上顎を後方や下方に、下顎を前方や上方に移動させ、上下の歯が噛み合うようにしたと推察しますが、上顎骨を切断して移動させる際、上顎神経に何らかの損傷が加わったのかもしれません。手術により、眼の下や上唇、頬、下唇やオトガイに知覚麻痺が生じた可能性があります。残念ながら、神経の麻痺は回復に時間を要することが多く、即効性の治療法はありません。気長に待たざるを得ない状況でしょう。

神経麻痺の影響で食事や会話に支障があり、復職が難しいようですが、リハビリで機能を回復させることは可能であると思われます。また、復職が困難であることを診断書に記載してもらうことは可能なはずです。セカンドオピニオンを受けるためには、手術を受けた口腔外科に紹介状と検査画像のコピーを依頼しましょう。リハビリや診断書作製を含め、適切な医療機関を紹介してもらうことをお勧めします。

質問2

お忙しい中、早急なお返事ありがとうございます。的確な内容で大変感銘を受けました。今の主治医は職場復帰を遅らせる診断書をどうしても書きたくないの一点張りなのですが、それは自分の手術において麻痺が発生したことを認めたくないということからなのでしょうか。今までの話の端々からそういった印象を受けています。

やはり一度はセカンドオピニオンを受けた方が良いということなんですね。絶対治るから待つしかないとしか言われていない状況でどう切り出すべきかも悩むところです。

でも待っているだけで何もしない状況ももどかしく、何かできることがあったら行いたいと思っていたところに神経麻痺をリハビリにおいて機能回復させることが出来るということを今回初めて知りました。毎日不安でしたので大変救われた思いです。