口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

開口障害がある場合の親知らずの抜歯

年齢 性別 相談日

30代

男性

2021年5月17日

質問1

ご質問させていただきます。親知らず抜歯についてですが、ぼくは筋ジストロフィーという病気で、口があまり開かない状態です。前歯と前歯の間が1.8㎜程度です。先日口腔外科受診して、局所麻酔では抜歯するスペースが無く、全身麻酔では痛みや腫れの無い現状では、リスクのほうが大きいとのことでした。

今後痛みが出ても、痛み止めや抗生剤で様子を見てほしいと言われましたが、痛みを抑える以外方法がないのかと不安に思っています。口があまり開かない方で、親知らず抜歯をしたことがある人やそういった事例を知っている方がいましたら教えて頂きたいです。よろしくお願い致します。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

親知らずを抜歯したいが、現状痛みや腫れは生じていないという状況のようですね。親知らずは奥の方に位置するため正しく生えていないケースが多く、磨き残しから炎症が起こり痛んだり腫れたりします。そのような場合に抜歯することになります。

一方、痛みや腫れがない親知らずの抜歯を急ぐ必要はありません。そのまま放置して大丈夫です。ただし、今後痛みや腫れの可能性が想起される場合は、症状が出現する前に先手を打っておくのも得策です。現時点でそのような状態にあるのかもしれませんね。

しかしながら、開口障害のため全身麻酔下での抜歯が必要であるならば、気軽に抜歯すべきではありません。将来現れるかもしれない痛みや腫れのリスクと、全身麻酔で被るかもしれないリスクを天秤にかけ、どちらかを選ぶことになります。口腔外科の先生が「様子をみる」と判断されたのであれば、それが適切な対応なのでしょう。

抜歯をしない場合は、日々正しい歯磨きに励みましょう。前述の通り、親知らずが痛んだり腫れたりするのは磨き残しが生じやすいからです。磨き残した歯垢(プラーク)には大量の細菌が棲息し、炎症を引き起こします。磨き残しは歯科でチェックを受け、適切な磨き方を指導してもらいましょう。筋ジストロフィーのためにうまく磨けないのなら、歯科で定期的にクリーニングを受けることをお勧めします。

口があまり開かない場合、親知らずの抜歯は困難といえますが、工夫をすれば可能性はあります。

質問2

こんばんは。丁寧に答えていただきありがとうございます。今のところ痛みはありませんが、痛くなったときに抜歯ができるのか、何か方法がないのかなど詳しく知りたいです。

口があまり開かない状態でも工夫をすれば抜けることもありますとありましたが、できれば具体的に教えていただければと思います。いろいろ言ってしまいすみませんがよろしくお願いします。

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

開口スペースが小さい場合でも、抜歯に用いる器具が入れば抜歯は可能であると推察します。