口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

スプリントで痛みが軽減する神経障害性疼痛

年齢 性別 相談日

40代

女性

2021年6月6日

質問1

現在歯の神経性障害疼痛で漢方を3ヶ月飲んでますが痛みがあまり変わりません。前歯の1番2番の間らへんに痛みがあり1番は抜歯してありません。2番の歯も昔、歯根たん切除をしたりして決して良い歯ではありません。

なぜかマウスピースをいれると少し楽になるのでマウスピースを日中もつけてる状態です。マウスピースをつけると楽になるとか神経性障害疼痛でありえることなんでしょうか?そのような方はいらっしゃいましたか?実は2番が原因なのかもと悩んでいます。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

神経障害性疼痛と診断された前歯の痛みについて、神経障害性疼痛という診断が正しいか否か逡巡されているようですね。診断を下すためには、まず歯や顎骨、粘膜などに器質的な異常があるかどうかを確認する必要があります。また非歯原性歯痛の中には筋・筋膜性歯痛や神経血管性歯痛などの原因もあるため、これらの有無についても確認する必要があります。

さて、着目すべきはスプリント(マウスピース)を装着すると痛みが軽減するという点です。この事実は前歯の器質的な問題や筋・筋膜性歯痛の可能性を示唆しています。一方で前歯部に神経障害性疼痛による末梢性感作が生じており、スプリント装着によって神経への刺激が軽減されているとも考えられます。以上の点を鑑みると、やはり神経障害性疼痛が痛みの原因である可能性が高いと推察します。

質問2

返信ありがとうございます。本当にありがとうございます。少し追加で教えていただけたらと思います。本当に悩んでいるので宜しければ教えてください。

1. 神経性障害疼痛と診断され抑肝散とリッコウサンを処方されてますがあまり効果を感じられないのですが、やはりリリカとか副作用が強い薬のほうが早くよくなる可能性がありますか?
2. 神経性障害疼痛は非定型の中でも治りにくいのでしょうか。
3. マウスピースをずっとつけてるましになる感じで日中ずっとつけてますが外したときに痛みが倍増する感じです。神経障害疼痛でマウスピースをつける治療法とかはありますか?ずっとつけてるわけにもいかず。まだ痛くて前1番も歯をいれられてない状態です。

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

1. 神経障害性疼痛に対して最初に使用する薬剤が国際的に定められています。三環系抗うつ薬、あるいはリリカなどの抗けいれん薬が有効な場合が多くみられます。
2. 非定型歯痛(非歯属性歯痛)にはさまざまなものがあります。その中で神経障害性疼痛が特に治りにくいとも治りやすいともいえません。
3. 神経障害性疼痛と筋・筋膜性疼痛が合併している場合には、スプリント療法を行うことがあります。神経障害性疼痛が単独で存在する場合、一般的にはスプリント療法を行うことはありません。