口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

下の前歯4本の歯肉の腫れと、圧迫感、顎関節の痛み

年齢 性別 相談日

50代

女性

2023年6月30日

質問1

はじめまして。30代前半に右上5番目の歯痛があり、近医受診。すると、歯痛箇所はそっちのけで20才に奥歯8本C1で虫歯治療を受け、当時の鉛?で十字に詰め物がありました。そこの右下奥歯2本の根幹治療として元々の歯より1/3程度まで削られ、左上奥歯1本も同様の治療を受けた後、歯髄炎で顎下から首にかけて腫れた経過があり、そこの歯科受診を止め、別の歯医者へ行きました。

漢方のような薬剤治療の後、残りの奥歯も根幹治療した方が良いと言われ、結局、8本全てが1/3程度の大きさとなり、治療が完了するまでカバーとなる歯は付けないと、仮歯のままあちこちの治療を進められ、左右バラバラに治療された為、咀嚼障害が起こり、噛み合わせが合わなくなりました。歯科医の言われた通り通院をしていましたが、最終的には、噛み合わせは専門外と言われ、そこでの治療も止めました。

その後も口腔内トラブル続出のため、痛みを最小にしてもらう治療を勧められるまま、歯自体の治療をし、左右上下奥歯4-5本全て神経抜かれていて、最初に通い始めるきっかけとなった右上4番目は抜歯されました。

そんな感じで歯科には不信感しかないのですが、歯周病は認知症やその他のトラブルへ繋がるので、定期的な歯の掃除と治療を続けています。

そこで質問なのですが、歯髄炎の頃から下の前歯4本の歯肉の腫れと、圧迫感が始まり、歯ぎしりが激しくなっています。その為、鎖骨から首周囲、頭痛が酷くなり、マウスガードや筋弛緩剤、鍼灸治療など出来ることは試しています。

また口腔外科では心療内科も勧められて、うつ剤も服用していますが改善には至らず。この半年は左の顎関節に痛みと、開口障害が起きたので、MRI、CT、シンチなどから、下顎骨の破損と頭蓋骨側の軟骨が無くなっていること、下顎骨と頭蓋骨の間に異物があるという事で、秋頃op予定です。

あまりにも頭の痛みと下前歯4本の不快感、嚙むと左顎関節のバキバキ音と痛み、最近は右側で食事をしていても、左顎関節に強い痛みを生じており、仕事もままならず、休むことや起き上がれなくなっています。問欄から、似たような症状で先生の回答を見ました。専門医の立場から、opして改善するのか、前歯4本の痛み圧迫感は治療方法があるのか、教えていただけると嬉しいです。

口腔外科では裂けた骨の箇所を切り取る、異物取り除くが骨の充填や全置換などの補強などはせず、骨と異物の大きさ分は空洞になるようです。肩首鎖骨痛、頭痛は改善されないと言われました。

過度な歯ぎしりによって前歯下4本並びの左端が内側に倒れ、3番目が左斜めになってきているので、歯並び矯正みたいなのをすれば、歯の圧迫感や首、頭痛が改善されないのでしょうか?噛み合わせの改善でマシになるような気がしますが、どうでしょうか?長々とすみません。よろしくお願いします。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

実際に診察していないため、どのような問題が生じているのかを推測するのは困難ですが、可能性としてお話します。顎関節(下顎骨と頭蓋骨側の側頭骨との間の関節)の痛みは、顎関節症(咀嚼筋障害、顎関節痛障害、顎関節円板障害)による痛みであると考えられます。顎関節の内部の間接円板に穴が開いている、あるいは関節ネズミが生じているかもしれません。手術以外の治療で痛みが改善しない場合には、最終的に手術を選択する場合があります。既に薬物療法、運動療法、スプリント療法は受けられたのでしょうか。まずはこれらの治療法をいろいろと試してみる必要がありそうです。

下顎前歯の痛みや歯肉の腫れの原因はさまざまなものが考えられます。虫歯や歯周病、歯のひび割れなどがあれば、それらの問題に対する治療が必要です。最も疑わしいのは歯ぎしりや食いしばりの問題です。過去に臼歯の抜歯や抜髄を経験されているようですが、これらの問題も歯ぎしりや食いしばりによって引き起こされた可能性があります。顎関節症、首や肩の痛み、頭痛の原因も歯ぎしりや食いしばりが疑われます。夜間の歯ぎしりが問題であれば、スプリント療法が効果的です。日中の食いしばりや上下歯列接触癖が問題であれば、認知行動療法(行動変容法、筋弛緩法、呼吸法)、薬物療法、運動療法などが必要となるでしょう。