口腔外科総合研究所 l 口腔外科 大阪

2回法による親知らずの抜歯

年齢 性別 相談日

40代

 女性

2020年10月28日

質問1

下の親知らずを抜きたいのですが、レントゲンで見ると神経に当たっており、麻痺が心配で抜歯に踏み切れません。そちらでは、2回法で抜くことが可能とのことですが、42歳でも、歯冠を抜いた後の歯根の移動は起きるのでしょうか?他のサイトでは35歳ぐらいまでが適齢とありました。もし移動しなかったり場合、残った根っこはどうなりますか?お忙しいところ恐縮ですが、ご返答宜しくお願い致します。

【回答1】口腔外科総合研究所 樋口均也

下顎の親知らずの根の先が下顎骨内を走行する下歯槽神経と接触していることがよくあります。エックス線写真でこのような状況が確認されたようですね。

このような状況であってもすんなりと親知らずを抜歯できることもあります。しかし、いろいろな方法で抜こうとしてもなかなか抜けないこともあります。無理やり力づくで抜くと神経が傷付くことがあり、その結果麻痺が生じます。

麻痺が出ないようにする方法に2回法があります。初回の手術では親知らずの歯冠の部分のみを切断して除去し、歯根は残しておきます。1~2か月して歯根が移動し、下歯槽神経が入っている下顎管から離れたら、2回目の手術で歯根を除去し、抜歯を完了させます。

1回目の歯冠切除後、いつまでたっても歯根が移動しないこともあります。しかし問題はありません。邪魔な歯冠を除去し、歯根は骨の中に埋まったままで治ったということになります。

質問2

早速のお返事、ありがとうございます。歯根を残したままだと、化膿したりしませんか?これまでも、歯が移動せずに、歯根がそのままの患者さんはいらっしゃいましたか?何年か経ってから、何か影響がでるのでは、と気になります。また、この2回法は難しいため、限られた病院でしかできないと書かれていたのですが、その通りでしょうか?

【回答2】口腔外科総合研究所 樋口均也

歯根を残した後に早期に化膿することは少ないとされています。私の経験でも化膿した例は記憶にありません。ただし歯根が移動して見えるようになり、そのままで放置しておくと化膿することがあります。その場合は炎症を抑え、その後に抜歯します。歯根が移動するかどうかに注意し、移動した場合には化膿する前に抜いてしまった方がよいと考えます。

一方で、歯根が移動せず骨中に埋まってしまえば問題は起こりません。このように歯根が移動しないこともよくあります。

2回法に限らず下顎の親知らずの抜歯は難しいため開業している歯科の先生は敬遠されます。多くの場合大学病院や総合病院の口腔外科に抜歯を依頼されます。

質問3 
詳しく教えて下さり、ありがとうございます。